声と文字

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 292,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000263283
  • NDC分類 230.4
  • Cコード C0322

出版社内容情報

中世一千年の間に西欧は「声」中心から「文字」優勢の社会へと変貌した。その変化はラテン語/俗語、エリート/民衆、教会/世俗など、中世社会のもつ二重性とどう関わるのか。ユニークな角度から中世世界に迫る力作。

内容説明

中世一千年の間に西欧は「声」中心から「文字」優勢の社会へと変貌した。その変化はラテン語/俗語、エリート/民衆、教会/世俗など、中世社会のもつ二重性とどう関わるのか、ユニークな角度から中世世界に迫る。

目次

シエナ、一四二七年八月一五日
ラテン語から俗語へ
カロリング・ルネサンスの光と影
ストラスブールからヘイスティングズへ
大分水嶺
声と文字の弁証法
遍歴商人からもの書き商人へ
文字のかなたに声を聞く
俗人が俗語で書く
母語の発見

著者等紹介

大黒俊二[オオグロシュンジ]
1953年生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得。現在、大阪市立大学大学院文学研究科教授。専攻は、中世イタリア史。研究テーマは、スコラ学の経済思想、説教、商人社会史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

松本直哉

24
11世紀をおよその分水嶺として文字の文書が爆発的に増え、文字中心の世界に移行したとはいえ、それ以前にも文字の文化はあり、またそれ以後も声の文化が衰えたわけではなく、双方が相互に影響しあって、文字に裏打ちされた声、声を蘇らせる文字といったダイナミックな関係にあったことを、豊富な資料から明らかにする。分かち書きの発明と黙読の奨励が文字の普及に及ぼした影響は大きかった。15世紀末、印刷術が産声を上げた直後の時代のサヴォナローラの「書かれた説教は生ける言葉の影に過ぎない」は荘子の「書物は古人の糟粕」を連想させる。2025/12/08

サアベドラ

16
中世ヨーロッパにおける言語と社会の諸相を描き出すユニークな論考。ラテン語と俗語、書き言葉と話し言葉、識字者と非識字者、「声の文化」と「文字の文化」、記憶と記録など、当時の「声と文字」に関する様々な側面を、説教集や行政文書、商人文書などを駆使して提示し、それによって中世ヨーロッパの言語社会の全体の流れを鮮やかに描き出す。このシリーズのなかでも特によくできていると思う。おすすめ。2013/08/05

ぷほは

9
再読なのだが、多くの内容を忘却していた。ひとくちに「文字」と言っても、たとえば分かち書きなのかまとめ書きなのか、説教のための台本なのか、それとも説教を聴きながら書いた筆録なのか、ラテン語なのか俗語なのか、偽文書なのか真文書なのか、大文字なのか小文字なのか、豪華写本なのかミクロ流通本なのか、羊皮紙なのか蠟板なのか、自筆なのか代筆なのか、識字者によるものか準識字者によるものか、証文なのか帳簿なのか、カルチュレールなのかレポルタティオなのか、剣なのかペンなのか、正統なのか異端なのか。またそのどちらでもないのか。2025/12/20

MUNEKAZ

6
これは面白い本。「ラテン語」と「俗語」の二重言語体制にあった中世ヨーロッパで、次第に後者が優位になり、前者に成り代わっていく様子が鮮やかに描かれている。外国語として「ラテン語」に接したアングロサクソン圏で「分かち書き」の技法が生まれたり、「俗語」文字の使用が盛んになったイタリアの諸都市では、お気に入りの説教を集めた同人誌のようなものが作られていたりと興味深い事例が多く紹介されている。終章にもあるように、こうした「俗語」の発展が、近代国家に繋がっていくのだ。2017/04/07

つまみ食い

5
ラテン語を理解することが則ち「文字を知る人」であり、俗語しか理解しない俗人は「文字を知らぬ人」と目されていた二重言語体制から、商取引はもちろん宗教的言説や文学言語も俗語で行われるようになるまでを描いた短いながらに充実した本。未訳のものを中心に、書体や俗語の社会的評価の変動などを論じた文献リストも充実しており勉強になる(一方、デリダやアンダーソンなどテーマ的に強い関連がありそうなのは、省略されているのか入っていないのは少し気になった)。特に『チーズとうじ虫』あたりが好きな人にはおすすめ。2023/06/22

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/362403
  • ご注意事項