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中世世界とは何か

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  • サイズ B6判/ページ数 284,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000263238
  • NDC分類 230.4
  • Cコード C0322

内容説明

中世を中世たらしめている独自の要素とは何か。それはいかなる意味で先行する古代、後続の近代と区別されるのか。国家や社会、統治や政治秩序のありようを探り、貴族層や修道院の系譜をたどりながら、広くユーラシア的時空を見据えて、ヨーロッパ中世1000年の歴史的・文化的骨格を明らかにする。従来の中世理解の図式に再検討をせまる近年の歴史研究をふまえた中世像の捉え直し。

目次

序章 「中世」を切り出す
第1章 小国家の時代
第2章 中世ヨーロッパ・システムの生成と展開
第3章 統治と政治秩序の体系
第4章 碧き血統―ヨーロッパ貴族の歴史的変遷
第5章 規律と恩寵―修道制の多様な界面

著者等紹介

佐藤彰一[サトウショウイチ]
1945年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得。現在、名古屋大学大学院文学研究科教授。博士(文学)。研究テーマは、フランスを中心とする中世初期の国制と社会(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

14
欧州中世の歴史を様々な観点から分析したシリーズのうちの第1巻で全体を俯瞰しています。とくに第4章と5章が興味深く分析されています。第5章では服従と規律という観点から修道院の在り方を述べられています。私にはわかりやすい歴史の本だと感じました。2014/07/24

サアベドラ

12
叢書<ヨーロッパの中世>の第1巻。著者は日本の西洋中世史学界の重鎮。国家、法、貴族、教会など中世ヨーロッパを構成する諸要素を、欧米の新しい研究成果に著者の主張を加えて論じる。著者の専門は初期中世なのでメロヴィング朝とカロリング朝の話が多く、以前から主張している古代と中世の連続性を本書でも強調している。まだ勉強が足りてないので、本書を批判できる材料をあまり持ってないが、とりあえず第5章の古代から中世における禁欲の伝統の下りは論理展開に少々違和感を覚えた。あとはまあ、そんなもんなのかなあ、って感じの感想。2013/07/22

MUNEKAZ

6
中世ヨーロッパについてフランク王国での事例を中心に、各々の要素を語っていく。個人的には「貴族」と「騎士」の成立に関する章がなかなか興味深かった。ついつい日本の「公家」や「武士」と同一視してしまうだけにその成り立ちや発展について地域ごとの独自性が面白かった。ただ序章でヨーロッパ全体をユーラシア大陸の「半島」と捉えるなど大風呂敷を広げただけに、その後は個別の事例に終始したのは尻すぼみ感があるかも。各論は面白いだけに、全体を包括する結論が欲しい。2017/01/10

人生ゴルディアス

5
みんな大好きローマ帝国が滅んだあと、「中世ヨーロッパ」が確立されていく過程、というような流れでとても面白かった。特によかったのは、ゲルマン民族大移動についての解説。イメージだと野蛮人がローマ帝国に攻めてきた感じだったが、実はフン族に追われてローマの領域に逃げてきて、交渉の後に領地を構えたというもの。そこから東西ゴート、フランク王国ができてメロヴィング、カロリング、帝国崩壊からの神聖ローマ帝国……。貴族の成立、騎士身分の出現などについても解説が多かった。2022/06/06

mob

2
西欧中世総論。この著者だとやはり面白い。しっかりローマから繋ぎ(実は繋がらない部分も論じて)、曖昧になりがちな中世貴族や騎士の成り立ちを歴史の幹へ繋いでいく。総論でこれだと、このシリーズだけ読んでればよかったのでは? と思わされるが、著者は一巻ごとに交代制なので読み進めなければ何とも言えない。KINGDOMは国家じゃないよという向こうの感覚は普遍的価値観の存在を前提にしていそうで鼻につく反面、著者を含むこちら側の価値観に革命も断絶も乏しいことの旨味を感じる。日本人が中世史を濃く楽しめるのは必然に違いない。2021/05/28

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