出版社内容情報
死海文書とならんで、キリスト教の成立史を解く最も重要なカギとされる不思議な文書が、ようやく日本語で全文読めるようになった。ナグ・ハマディ文書は、一九四五年にエジプト南部のナグ・ハマディで農夫によって発見された、コプト語で書かれた五十二のパピルス文書である.....。(立花隆『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』 275頁、より)
目次
ヨハネのアポクリュフォン
アルコーンの本質
この世の起源について―無表題グノーシス主義文書
プトレマイオスの教説―エイレナイオス『異端反駁』(1,1,1‐8,5)
バシリデースの教説―ヒッポリュトス『全異端反駁』(7,20,1‐27,13)
バルクの書―ヒッポリュトス『全異端反駁』(5,26,1‐27,5)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
pyidesu
1
やや飛ばし読みした。ナグ・ハマディ文書から見るとユダの福音書の価値は半減する。キリスト教を、ギリシャ多神教観に引き戻そうとするような感じ。とっちらかってる。2021/06/25
Tonex
0
世の中にはこういうことを研究している人がいるのだなあと感動した。2013/09/18
depthofthesky
0
#dokusyo 読みかけの本そっちのけで読了。グノーシス神話の一次資料がメインの巻。至高神のかけらを抱きながら、邪悪なデミウルゴスの生み出した悪しき世界に「落下」してしまった人間。「根」を失い、自身が至高神のかけらであることも忘れてしまった孤独な人間のもとへ至高神は使いを送る。しかし、その使いですらその目的を忘れ眠り込んでしまう。この牢獄のような世界からどう脱出するか、真摯でスリリングな思考が展開する。2010/04/03