出版社内容情報
西洋近代との出会いによりイスラームはどのように変化してきたのか? イスラームの護教に陥ることなく,最新の文献によって,現代世界におけるイスラーム思想の基本的な見取り図を提示する.
目次
序章 問題の所在
第1章 伝統と保守―伝統主義
第2章 イスラームの近代化―モダニズム
第3章 闘う反近代―原理主義
第4章 近代への再統合―ネオ=モダニズム
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ドウ
2
かつて受講した演習の授業でPDFが配られていたのを思い出して再読。「思想家を取り上げつつ」どころか、思想家の系譜に沿ってイスラーム思想史を粗描しようと試みていたので、かつての私の感想は、厳密に言えば間違っている。序章で論じられていて印象的だった、日本のイスラーム教研究における「護教的言説」は、出版から20年経った今では漸く少し払拭されつつあるのかな。今度は逆に、現代の原理主義に至る潮流を為した人物ばかりに目を向けていた、旧来のアラブ思想史も転換するべきと思う。2017/10/02
ドウ
1
イスラームの思想潮流を、伝統主義、モダニズム、原理主義、ネオ=モダニズムに分けてそれぞれ主な思想家も取り上げつつ論じる本。筆者はネオ=モダニズムに同情的だし、私も感情的には偏狭な原理主義よりも西洋の科学的分析を重視するネオ=モダニズムの方が望ましい気もするが、いかんせん解釈手法が難解なため、一般受けはしないのでしょうね。ちょっと文章が難解かな。2015/10/23
桐乃@黒雪姫は俺の嫁!
1
大学の授業で参考文献に挙げられていたので読んでみました。 この本はイスラム教の予備知識(シャリーアやカリフ、ウラマーなどの用語の意味)を知らないと読むのが難解に感じました。アラブ諸国(中でもエジプトに関することが多かったように思いますが)が近代化する時期にイスラム圏で影響を与えた政治活動家によるイスラム法典の再解釈の仕方が多く紹介されており、この時期の思想を幅広く知るにはいい本だと思いました。しかし、所々文章表現がおかしく感じられる所もあり読みにくいかと思いました。入門にはあまり適さない本だと思います。2012/11/22
crazy
1
近代におけるイスラーム社会・政治思想を体系的にまとめた良書。2007/07/13