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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hotspur
2
大田南畝の活躍した江戸の天明期は蔦屋重三郎と重なる。著者は、南畝の位置づけを「言葉を尽くして江戸の繁盛を言祝ぐ『狂歌師』という役どころを発明して狂歌の大流行を作りあげ、あらゆる人びとの手に届く楽しみとして提供した」とし、彼の業績を系統立てて論述する。先行研究への批判も含め、バランスの取れた良い本だと思う。取り上げられる南畝等の狂歌も分かり易く噛み砕いた解説と共に提示されているので読みやすい。江戸文化の理解の一端ともなり、また大河ドラマの予習の意味もあって、一読の価値あり。2024/12/10