内容説明
聖なるもの…暮らしの中で抱く何ものかに対する畏敬と畏怖…祈りと願望のために為す造形の妙。本書は、広大なユーラシアを舞台に幾星霜をかけて埋め込まれてきた聖なるものの「かたち」の諸相を俯瞰しながら、地域や民族、宗教の違いを超えた聖なるものの地下水脈を丹念に掘り起こしていこうとする試みである。
目次
第1章 根源的なるもの(大地;水;火)
第2章 食べものの聖性(無花果;米と麦;薬草)
第3章 聖なる幻獣(蛇と竜;幻獣マカラ;無常大鬼とメドゥーサ)
第4章 コスモスを求めて(世界軸と須弥山;マンダラ;人体という宇宙)
第5章 祈りのゆくえ(舞踏;供物;聖なるものへ)
著者等紹介
立川武蔵[タチカワムサシ]
1942年名古屋生れ。国立民族学博物館名誉教授。インド哲学・仏教思想史。ハーバード大学大学院博士号。名古屋大学文学部教授、国立民族学博物館教授などを経て、現在に至る。中村元東方学術賞・紫綬褒章受賞
大村次郷[オオムラツグサト]
写真家。満州生れ。岩手県出身。多摩芸術学園写真科・青山学院大学卒業。『シルクロード』『文明の道』などのNHK特集(スペシャル)に参加(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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林克也
1
「人間や動物、さらに山や川を含む世界全体が、巨大な生命体であり、その生命はかけがえのない大切なものである、というのが仏教タントリズムの世界観」とありましたが、これはよくわかります。毎日、とは言いませんがしょっちゅう感じています。で、思ったのが、では宇宙とは何か、(我々の言う)宇宙も巨大な生命体なのだろう。そういう生命体の極々小さな一部である人間、それが何をどうしようと宇宙はそんなものは簡単に飲み込んでしまう。ふぅー。2014/05/27
寅ちゃん
0
学術的かも。神の名とかたくさん出てくるし、もっと勉強したくなったらちゃんと読もう。2020/12/27