内容説明
二〇〇二年は国交正常化三〇周年にもかかわらず、首相の靖国神社参拝で日中関係は悪化した。著者は「対日関係の新思考」を発表し、両国に大論争を巻き起こした。「対日関係の新思考」以後、中日関係における一一年来の起伏の変化をたどり、新思考の影響が次第に拡大していったプロセスを論評する。その後二〇一二年に尖閣国有化問題が起こり、両国関係は再び谷底に陥り、凍りついたままである。著者は理性的かつ平和的な方法で釣魚島(尖閣諸島)問題を解決するよう提案する。中日両国は戦後の仏独関係にならって関係改善に努め和解を実現させることが、中日両国の唯一の解決策であると主張する。
目次
驚天動地
「対日関係の新思考」とはいったいどのような文章か
新思考は〓(とう)小平と胡耀邦の対日観から生まれた
我が道は独りではない―私の先生、何方
感情を政策に置き換えてはならない―新思考の二人の大将
愛国を看板にするな―私がセントラルで殴られたって?
日本を寛大に許せば民族の裏切り者になるのか―葛紅兵事件
理性は妄動を抑制する―朱良部長からの手紙と袁偉時教授の文章
「氷を砕く」から「暖かい春」まで―胡錦涛と温家宝の突破
日本政府は二五回おわびした〔ほか〕
著者等紹介
馬立誠[バリッセイ]
1946年生まれ、中国四川省成都出身。『中国青年報』評論部副主任、『人民日報』評論部主任編集者(論説委員に相当)、香港フェニックステレビ評論員を歴任。長年にわたり中国の社会変革やナショナリズムに関する研究と執筆に取り組み、現在は北京を拠点に言論活動を続けている
及川淳子[オイカワジュンコ]
日本大学大学院総合社会情報研究科博士後期課程修了、博士(総合社会文化)。法政大学国際日本学研究所客員学術研究員、法政大学大学院中国基層政治研究所特任研究員、桜美林大学北東アジア総合研究所客員研究員、日本大学文理学部非常勤講師。専門は現代中国の社会、知識人、言論空間に関する研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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てつてつ
Cazuo Tanaka