内容説明
拝啓中曽根総理大臣様―。「日本は単一民族国家」との首相発言に関東ウタリ会から送られた手紙。今も返事を待つ。民族問題として人々の意識が逸らされるが、実態は人権問題そのもの。主権在民の憲法が脅かされる今、アイヌ一女性が語る個人史は、苦悩の中で思考する日々の随筆であり、抑圧の根源に人権侵害があることを浮き彫りにする。
目次
第1章 余市から新冠へ転々と
第2章 職場を通して知る社会
第3章 関東で暮らし始めて
第4章 伝わらないアイヌの心
第5章 ひとりひとりが主権者に
著者等紹介
北原きよ子[キタハラキヨコ]
1946年北海道後志郡余市町生まれ。母は両親ともにアイヌ、父は片親がアイヌ。日露戦争で日本領とされた南カラフトに住んでいたため、日本国民とされた。アイヌといわれるのは何故?との思いからアイヌの歴史を調べはじめ、今に至る。1980年、民族としての権利の確立や、アイヌ文化を学び、首都圏に住むアイヌ民族を知ってもらうことを目的とした関東ウタリ会の結成に参加、一時期会長を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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