戦後日本の国家保守主義―内務・自治官僚の軌跡

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  • サイズ B6判/ページ数 224p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000258951
  • NDC分類 317.21
  • Cコード C0031

出版社内容情報

明治から昭和戦前期まで,大蔵官僚と並んで権威を誇った内務官僚は,敗戦により内務省が解体された後も,自治省などの後継官庁で生き延び,日本の支配を担ってきた.彼らは,現役時代は国家の中枢を支え,「天下り」後は「国家の触手」として社会に働きかけた.内務・自治官僚たちの思想と行動から,日本の支配構造に新たな光を当てた画期的著作.

内容説明

明治から昭和戦前期まで、大蔵官僚と並んで権勢を誇った内務官僚は、敗戦により内務省が解体された後も、その後継官庁で生き延び、日本の支配を担ってきた。彼らは、現役時代は国家の中枢を支え、「天下り」後は「国家の触手」として社会に働きかけた。官僚たちの思想と行動から、日本の支配構造に新たな光を当てた画期的著作。

目次

第1章 内務官僚の系譜(戦後の地方自治行政をリードした旧内務官僚たち;国家官僚制における自治省の勢力圏 ほか)
第2章 中央・地方政治への転身(戦後入閣を果たした旧内務官僚たち;内務省出身の政治家と国家保守主義 ほか)
第3章 戦後の準国家機関の再生(日本善行会;日本躾の会と日本レクリエーション協会 ほか)
第4章 準国家機関の増殖と天下りの拡大(地方行財政関連団体;宝くじ関連団体 ほか)

著者等紹介

中野晃一[ナカノコウイチ]
1970年生まれ。東京大学文学部哲学科および英国オックスフォード大学哲学・政治コース卒業、米国プリンストン大学で博士号(政治学)を取得。現在、上智大学国際教養学部教授、同大学グローバル・コンサーン研究所所長。専門は比較政治学、日本政治、政治思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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coolflat

7
旧内務省官僚による国家支配を明かす。彼らは国家支配するに当たり、国家を全ての権威のよりどころとし、その規定する価値秩序に社会を従属させるため、欧米にない多元主義や自由主義を拒絶した独特の保守主義を用いる。ただ80年代以降、新自由主義が台頭し、その保守主義は影を潜める。天下り先など自己利益を追求するため、国民に自己責任論を押し付けるのである。だがそれにより彼らは権威を失う。そこに出てきたのが世襲政治家だ。彼らもまた国家の権威と権力を私物化する。この現実を覆い隠すために、彼らは復古的ナショナリズムを用いている2014/04/18

ミツキ

3
アセモグルとロビンソンによる『国家はなぜ衰退するのか』と合わせて読むと、非常に興味深い。2016/03/07

Naoya Sugitani

1
簡単に言えば解体された内務官僚が戦後もありとあらゆる手段を使って国家に影響力を保持したという内容。『内務省の政治史』が表の政治史なら、こちらは裏の政治史といったところか。それにしても官僚の生存を賭けた執念深さには驚かされる。ちなみに著者の中野さんはこの本の後安倍政権批判の急先鋒となっていくが、この本でも自民党批判が見られる。2017/08/21

すのす

1
役人ネタ本の一環で購入。役人の人事や天下りで国家のイズムを語るのは、さすがに相関はあるけど因果は無いのではないかと思うが。それにしても内務・自治省はすごいですね(棒)2017/08/20

Ra

0
着眼点は面白いが、内容としては薄い。ただし、著者の力量不足というよりは紙幅の薄さが主な原因と思う。もう少し展開してほしかった。気になった点としては、「天下り」の定義がなされておらず、絶対的な悪とレッテル貼をしている印象を受けること。著者の他著からも察せられるように「体制側(自民関係者や官僚)」に対するやや強めの批判書だが、その強さが内包する脆さに読者が気づけるか、読者自身の力量が問われている。2017/12/10

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