検証 官邸のイラク戦争―元防衛官僚による批判と自省

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  • サイズ B6判/ページ数 185,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000258838
  • NDC分類 319.8
  • Cコード C0031

出版社内容情報

首相官邸で自衛隊イラク派遣の実務責任者を務めた元防衛官僚が,アメリカを支持した政府判断,自衛隊派遣のプロセスを検証する.深い自省を込めて忌憚なき批判を行い,安全保障政策の拠り所としての日米同盟を根幹から問う.

内容説明

開戦から10年、首相官邸で自衛隊イラク派遣の実務責任者を務めた著者が、アメリカの武力行使を支持した政府判断、自衛隊派遣のプロセスを正面から検証する。深い自省を込めて忌憚なき批判を行い、現在に至るまで安全保障政策の拠り所とされている「日米同盟」を、根幹から問う。

目次

序章 現代における戦争とは何か
第1章 アメリカはなぜ戦争を選択したのか
第2章 戦争の正当化と「国益」の定義―防衛研究所での模索
第3章 日本はなぜ戦争を支持したのか―小泉総理の決断
第4章 同盟の選択と揺らぐ大義
第5章 「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」―自衛隊、サマーワへ
第6章 イラク戦争の余波の中で
終章 新たな戦略思想を求めて

著者等紹介

柳澤協二[ヤナギサワキョウジ]
1946年東京生まれ。70年東京大学法学部卒業後、防衛庁(当時)に入庁。防衛審議官、運用局長、人事教育局長、防衛庁長官官房長などを経て、2002年防衛研究所所長。04年から09年まで内閣官房副長官補(安全保障・危機管理担当)として、自衛隊イラク派遣を統括。現在、NPO法人「国際地政学研究所」副理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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coolflat

5
著者は日本がイラク戦争を支持したために「世界の中の日米同盟」は実態を失い、日本の国際的立場も低下の一途を辿っていると言う。そうなってしまった理由は、単純にイラク戦争を支持した最大の動機が日米同盟の維持であり、その事自体で政策目的を達成してしまったために「次の手立て」がなかったからだと。最初から日米同盟ありきなのだ。嘆かわしい事にそれは現在も続いており、日米同盟の名の下に、安倍晋三は集団的自衛権の憲法解釈すら勝手に行おうとしている。「(解釈の)最高の責任者は私だ」と、立憲主義を根底から覆す事を平気で言う始末2014/02/20

sasha

2
14年も経ったけどイギリスはきちんと検証をしているんだよね。アメリカの武力行使をいち早く支持したのに日本は検証するどころか、2014年には安倍晋三が「大量破壊兵器がないと証明しなかったイラクが悪い」とか言っていたっけ。だから日本政府は検証する気なんてさららさないんだろう。結局は「アメリカ様のおっしゃる通り」っていうアメリカの忠犬なんだ。フランスみたいに正論で反論なんて無理なんだろうな。国際協調よりもアメリカ様。それは今も変わらないってより、進化しているのかも。2017/05/16

きたくり

1
ドキュメンタリー映画「ファルージャ」でこの本を知りました。政治に疎い自分でも大丈夫か?と思いながら読み始めましたが、大丈夫!とてもわかりやすかった。「何らかの形でその戦争に関わった人間は、それについて考え、教訓を残すべき義務がある。歴史は、現在の延長線上でしか作られないからだ。(p8)」、「テロと戦争によって犠牲となられたすべての人々の死が、人類にとって無駄にならないことを願っている。(p185)」。大切な検証の本。2014/05/21

かまどがま

1
何をどう判断し何が行われたかを検証し、歴史の批判に耐えられるものかを確認しようとする著者のスタンスに強く共感した。このような作業のみが官僚が国民に信頼される唯一の方法なのだと思う。2013/12/01

やまべ

0
実に地味な検証。これまで公開されていなかったような内幕が暴露されるのではないかという期待は裏切られる。でもこういう地味だけど丁寧な回顧が必要なのだろうな、という気がする。それにしても、あの当時の「歯止め」に比べて、今の安倍政権の集団的自衛権の論理がどれほど危ないものかを痛感する。2014/07/26

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