内容説明
二〇世紀初頭のアメリカで、「フェミニズムの足音」が聞こえると謳い、女性が男性に従属することのない新しい社会の到来を予感した稀有な社会主義者、金子喜一と、ラディカルなフェミニスト、ジョセフィン・コンガー。「人間の平等」という同じ理想をめざす社会主義の影響を受けながらも、フェミニズムが独自の深まりを見せていく過程を、二人の生涯を通じて描く。
目次
第1部 「文学者」金子喜一(近代化の中心地、横浜に育つ―キリスト教、英語との出会い;フェミニズムとの出会い―若松賎子・巌本善治夫妻との交流;樋口一葉との邂逅―二つの「同情」)
第2部 社会主義とフェミニズムの交差(金子喜一と社会主義思想―自由競争批判とヒューマニズムの主張;金子喜一とアメリカ国勢調査―市民権とジェンダー;「世界の市民」―社会主義とフェミニズムが交差する地点;日本人排斥論とアメリカ社会党―『シカゴ・デイリー・ソーシャリスト』と金子;忘れられたフェミニスト、ジョセフィン・コンガー―ラディカルな社会主義フェミニズムの旗揚げ;金子喜一とジョセフィン・コンガーのコンパニオンシップ―「軽微な」金子、「骨太な」コンガー)
第3部 『ソーシャリスト・ウーマン』が切り開いた地平(『ソーシャリスト・ウーマン』を読む―社会主義女性とフェミニズム;バース・コントロールをめぐって―『ソーシャリスト・ウーマン』と『マッシズ』;社会主義フェミニストの売買春論―ヴィクトリアン・モラルとの格闘;その後の金子喜一とジョセフィン・コンガー)
著者等紹介
大橋秀子[オオハシヒデコ]
1946年鳥取県生まれ。同志社大学文学部社会学科卒。愛知県公立中学校で社会科教諭を務めたのち、96年愛知教育大学大学院教育学研究科(修士課程)入学、99年愛知教育大学大学院教育学研究科修了。現在、愛知教育大学、愛知大学、愛知県医師会立名古屋助産師学院で非常勤講師を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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