内容説明
いま、日本は再び危険な道を歩んでいるのではないか。過去から教訓として何を引き出したらよいのか。歴史学者と政治学者が日本近代一五〇年を行き来しながら、憲法問題や対中外交から、安倍政権の危うさ、対抗勢力の弱さまで、現在の日本の危機的状況について縦横に語り合う。
目次
第1章 改憲させないことが目的なのか
第2章 戦後の平和主義ではなぜ駄目なのか
第3章 日本に政治エリートはいるのか
第4章 自民党は本当に強靭なのか
第5章 なぜ格差の縮小に取り組めないのか
第6章 これからの日本はどの方向へ進むべきか
著者等紹介
坂野潤治[バンノジュンジ]
1937年神奈川県生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。同大学院人文科学研究科博士課程中退。東京大学社会科学研究所。千葉大学法経学部教授を経て、東京大学名誉教授。日本近代政治史
山口二郎[ヤマグチジロウ]
1958年岡山県生まれ。東京大学法学部卒業。北海道大学法学部教授を経て、法政大学法学部教授。政治学・行政学。「立憲デモクラシーの会」共同代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Miyoshi Hirotaka
24
中国の百年越しの領土的野心の起点はロシア革命。満蒙、朝鮮の権益範囲を相互に認めた日露協商の機能停止が機会となった。その後、九か国条約での国際社会の譲歩に乗じ、北伐が開始されたことによりわが国との軍事衝突が発生。一方、わが国は普通選挙により有権者が四倍に増えたが、有権者がどのグループが何を主張して、どこに投票してよいか理解できないまま政党政治が崩れ、大政翼賛会への合流になった。国の運命は今も昔も外交と内政という二つの力の合成で動く。制度がどんなに整ったところで、それを正しく機能させるのは国民一人一人の選択。2016/03/24
Y_Kuroyanagi
1
20151125ー201511302015/11/30
Melody_Nelson
1
近代史、とりわけ昭和史はややこしい…。でも今の政治の原型なんだよね。ってことで、来月実施される選挙前にこちらを読んでみた(あまり関係なかったかもしれないけど)。とりあえず、坂野先生の政治史は面白そうだってことはわかりました。2014/11/23
ひろP
1
戦後70年の現代政治研究家の山口二郎氏とペリー来航から150年の近代史研究家の坂野潤治氏の対談型の共著。自民党が近代史的にみると政友会的保守と民政党的社会民主が合同し長期的政権が維持されたっていう論点が面白い。また近代史的にも現代史的にも常に中国を意識した協調外交が必要と解く。また安部政権に批判的で、敗戦後ドイツのワイマール後のヒトラーになそらえるのはちょっと行き過ぎの感はある。しかし現代の自由経済と社会民主を軸とした対抗エリート同士の民主的調整の重要性を説く。ある意味、坂野氏の1925年の普選の完成が22014/09/27
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