内容説明
イタリア・ルネサンスの万能の天才が遺した膨大な手稿より絵画に関するあらゆる論考を収載した『ウルビーノ稿本』全944章、待望の全訳!
目次
第1部 詩と絵画について
第2部 画家の教則について
第3部 人のさまざまな情動と運動、および四肢の比例について
第4部 衣装について。人物像を優美に装わせる方法について。衣装と布地の種類について
第5部 光と影について
第6部 樹木と植物について
第7部 雲について
第8部 地平線について
著者等紹介
斎藤泰弘[サイトウヤスヒロ]
1946年、福島県会津若松市生まれ。京都大学大学院文学研究科修士課程修了、同大学院博士課程単位取得退学。京都産業大学助教授、京都大学助教授、同大学教授を経て、2010年退任。京都大学名誉教授。イタリア文学・文化研究。長年、レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿のファクシミリ版の刊行に参画、その解読に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
8
絵画では輪郭より影が重要だ。なぜならこの世界に線などというものはないのだから。今見える些細な動きも見逃さないように観察する著者は、言語で固定された観念とイメージで絵画空間を糊塗することを避け、世界を動きの軌跡である渦巻きや螺旋として描いた。さらに著者は光学と力学を通して見えるものと見るものの関係を動きから捉え、遠いものを小さくぼやけて見せる空気遠近法を実践し、輪郭にぼかしを入れるスフマート技法を発明する。弟子に語りかけるような言葉で書かれた8章944の断章からなる本書は唯一まとまった著者の書物とされる。2024/10/12
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