出版社内容情報
王朝人にとって自らの思考や感情を仮名の文章で書き表すことは,いかなる営為であったのか.時代の表現様式に抗いつつ,人びとは自己表出としての言語表現のあり方を模索していた.歌言葉の連想に依拠しながらも,独自の批評を加えることによって新しい散文表現を獲得した『枕草子』をはじめ,連想の文体という観点から王朝文学史を捉え直す.
内容説明
王朝人にとって自らの思考や感情を仮名の文章で書き表すことは、いかなる営為であったのか。時代の表現様式に抗いつつ、人びとは自己表出としての言語表現のあり方を模索していた。歌言葉の連想に依拠しながらも、独自の批評を加えることによって新しい散文表現を獲得した『枕草子』をはじめ、連想の文体という観点から王朝文学史を捉え直す。
目次
第1篇 文学史における文体(文学史における文体;歌言葉の文体;“ものづくし”の文芸;女流文学の担い手;女流文学の和歌と散文)
第2篇 『枕草子』の方法と文体(作品の形態;清少納言のこと;類聚章段;日記回想章段;場と場面;『枕草子』の精神と文体)
第3篇 日記文学への断章(『土佐日記』―詩と批評;『蜻蛉日記』―自己認識の文体;『紫式部日記』―複眼的な文体;『和泉式部日記』―共感の歌;『更級日記』―回想の時間)
著者等紹介
鈴木日出男[スズキヒデオ]
1938年生まれ。東京大学大学院博士課程修了。成城大学教授、東京大学教授、成蹊大学教授を歴任。現在、東京大学名誉教授。専攻、古代日本文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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