内容説明
心理学という学問の思想形成において、「宗教」はどのような存在であったか。二〇世紀初頭から一九六〇年代までの欧米の宗教心理学者たちの研究を丹念に読み解き、その布置連関を歴史のなかに位置づけ、理論と実践の矛盾を踏まえながら評価の指標を示す。宗教と非宗教のあわいに存在する複雑で多元的な思想の宇宙に光を当てる。
目次
序論 宗教心理学から心理学的思想運動へ
第1部 宗教心理学の再読(救済から自己実現へ―自己実現論;儀礼から「遊び」としてのセラピーへ―儀礼論;禁欲から欲望のケアへ―近代社会論;宗教的死生観から心理学的死生観へ;スピリチュアルな死生観の誕生;心理学的宗教理論の全体像)
第2部 歴史のなかの心理学(自己と他者―現代哲学と宗教心理;癒しの宗教史;一神教的心理学とアニミズム的心理学)
第3部 心理学批判をめぐって(「心理学的人間」論の潮流;「心理学的人間」論の批判的評価)
結論 ポスト「宗教」学へ
著者等紹介
堀江宗正[ホリエノリチカ]
1969年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士(文学)。聖心女子大学文学部・同大学院文学研究科准教授。専攻は、宗教と心理学、現代宗教理論、スピリチュアリティ研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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