内容説明
従来日本で生活保障に一定の役割を果たしてきた利益集団は、グローバル化や小泉構造変革、政権交代を経てどのように変容したのか。日本医師会、建設業協会、農協、連合、NPO団体の変遷を分析し、その上で、利益誘導型とは違う形で社会集団を基盤にした、新しいデモクラシーと生活保障の仕組みを構想する。
目次
利益政治の転換とリアル・デモクラシー
第1部(日本医師会における政治戦略の変化;政権交代による政策変動と政策コミュニティ―北海道開発政策を事例として;農協の政治運動と政界再編・構造改革・自由化―一九八〇年代以後の農協農政運動団体の活動分析;ソーシャル・ガバナンスと連合労働運動;政治過程の変容とNPOの政策提言活動)
第2部(熟議民主主義と集団政治―利益団体・アソシエーション・集合性の構成;「空っぽの乗り物」?―政党組織“開放”の力学;福祉・雇用レジームの転換を妨げる財政の硬直性―再配分の政治の隘路;保守主義レジームの多様性―日独仏福祉国家再編の分岐;影響の体系としての現代民主体制)
著者等紹介
宮本太郎[ミヤモトタロウ]
1958年東京都生まれ。中央大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。ストックホルム大学客員研究員、北海道大学法学部教授等を経て、中央大学法学部教授。専攻は比較政治、福祉政策論
山口二郎[ヤマグチジロウ]
1958年岡山県生まれ。東京大学法学部卒業。北海道大学法学部教授を経て、法政大学法学部教授。専攻は行政学、政治学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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