内容説明
九・一一以後に、思想を語ることは無益か。わたしたちを取り巻いている、不可解にして理不尽な出来事。そこに露呈している「狂気」と「非合理」の諸相は、いかにして形成されたのか。何を起源とし、どのような系譜をたどって、「今日」はあるのか。言葉をもって、現代の世界と向かい合うための、ありうべき思考の筋道を求めて。生きるために考え、歩くために「なぜ」と問う。人として在ることの根拠への問いを、混沌とした思想の風景から収集する、反時代的目録。
目次
1(スペインで起こったこと;何ゆえの「結婚」か?;「平和」を駆逐する「安全」―三年目の九月に;法は身体をどう扱か;名づけと所有―「アメリカ」という制度空間)
2(慟哭のエレニ―アンゲロプロスの“ギリシア”;人みなそれぞれの「アフリカ」を…―『ダーウィンの悪夢』から;進化論とメビウスの帯;アトス山訪問)
3(アルジャジーラと報道の理性;グローバル化の三つのステージ―宗教、政治、経済;腐敗する戦争;“思い出をもつ”ことの無惨;経済はいかにして倒錯したか―K ポラニーの後に)
4(沖縄、揺れる活断層;医における知と信―医療思想史の試み;生命科学とサイバネティクス;いのちのかたち;思想としての経済学バタイユ;ポラニー;ジョージェスク=レーゲン;生きものの理性―核を恐れる)
著者等紹介
西谷修[ニシタニオサム]
1950年生まれ。専攻、フランス文学・思想。東京都立大学フランス文学科修士課程修了。現在、東京外国語大学総合国際学研究院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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- 和書
- フランス語第一歩