臨床家 河合隼雄

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  • サイズ B6判/ページ数 261p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000255646
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0011

出版社内容情報

自己治癒力を引き出し続けるその存在と言葉
文化庁長官になっても心理療法を続けた河合隼雄。「河合語録」や事例発表の記録、河合隼雄を分析した分析家のインタビューを含む精選された論考から、多方面に渉る活躍の基本である、臨床家としての類い希な力量を多角的に捉える。

内容:
[序論]河合俊雄
[記録]思春期の事例についてのコメント(解説:岩宮恵子)/「河合隼雄語録」より抜粋(解説:桑原知子)
[河合隼雄の分析]山中康裕/川戸 圓/皆藤 章/角野善宏/伊藤良子
[河合隼雄という体験]谷川俊太郎×山田馨/柳田邦男/佐渡 裕/中鉢良治
[インタビュー]J.M.シュピーゲルマン
[資料]年譜

内容説明

文化庁長官の激務を引き受けてもなお、心理療法を続けていた河合隼雄。それは多方面にわたる活躍の基本であり、その経験は著作にも反映されている。臨床の際の生の声を収めた「河合語録」や事例発表の記録、河合隼雄を臨床の道へと導いたシュピーゲルマン博士のインタビューを含む精選された論考から、その類い希な力量を多角的に捉える。

目次

序論 臨床家・河合隼雄
記録(家を背負うということ―無気力の裏に潜むもの;「河合隼雄語録―事例に寄せて」(抜粋))
河合隼雄の分析(臨床家河合隼雄―私の受けた分析経験から;分析体験での箱庭;河合隼雄という臨床家;スーパーヴィジョンの体験から;河合隼雄の心理療法)
河合隼雄という体験(対談:河合さんというひと;物語を生きる人間と「生と死」;河合先生との対話;私の「河合隼雄」)
インタビュー ユング派河合隼雄の源流を遡る(J・M・シュピーゲルマン)
資料 河合隼雄年譜

著者等紹介

谷川俊太郎[タニカワシュンタロウ]
詩人。1931年12月東京生まれ。東京都立豊多摩高等学校卒

鷲田清一[ワシダキヨカズ]
哲学者。1949年9月京都生まれ。京都大学大学院文学研究科哲学専攻博士課程単位取得退学。大阪大学総長

河合俊雄[カワイトシオ]
臨床心理学者。1957年9月奈良県生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士課程中退。Ph.D.ユング派分析家資格取得。京都大学こころの未来研究センター教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Gotoran

45
タイトルが示すように臨床家河合先生を多彩なジャンルの方々が、様々な視点から語っている。各々の方々の河合先生への思いを汲取ることができる。事例発表での河合先生のコメント、河合先生から教育分析を受けた方々の追想、河合先生を分析したシュピーゲルマン博士へのインタビュー等々、盛り沢山。臨床家としての河合先生の厳しさと反面、オフ時の茶目っ気や無邪気な一面をも垣間見ることができた。次は、姉妹本の『思想家河合隼雄』を読んでみたい。2018/07/17

ぐうぐう

16
臨床家としての河合隼雄の実像を、具体的な事例研究を紹介しながら語っていく『臨床家 河合隼雄』。「臨床とは?」と訊かれ、「何もしないこと」と答えていた河合のその言葉が、まるで偽りなしであることが、本書を読むと実感できる。一番強烈な言葉は、セラピストを演劇に例えた、この表現だ。「治癒者は、たいてい監督や主役か相手役のどれかになっていることが多いんやけど、真のセラピストは、観客、もっと言えば、舞台に徹することなんや」。(つづく)2014/06/22

暗頭明

6
6/23の河合先生の今年の誕生日を機に読み始めたもの(再読)。牧康夫からの川戸氏宛の手紙を自分のポケットにしまったというエピソードが初読の時から忘れがたい印象を残すものの、他にも改めて感じたのは厳しい河合隼雄像である。一般書を通じて知る河合先生は好々爺のような姿で現れるが、本書では、心理学を学ぶ人たちに対する姿勢が峻厳であったことが紹介されていて(もちろんそれだけであったはずはないだろうが)、一読者に過ぎない私自身ですら身が引き締まる思いがするのだった。2016/12/22

ポカホンタス

3
河合隼雄の本は昔よく読んだ。この本で久しぶりに河合隼雄と再会したような感覚になった。症例へのコメントが、やはりすごい。氏から教育分析を受けた人のコメントも興味深かった。いつも半眼で黙って聴いていて、あまりなにも言ってもらえず、世間話のような話で終わったりすることが多いが、ここぞというタイミングは絶対に外さない、とか。泣き虫でクライエントの話をしていて涙ぐむことが多いとか。一時はチベットで修行僧になろうとしていたことがあったとか。持論の、全力を挙げて何もしないという教えとか。人間河合隼雄が伝わってくる。ただ2009/10/05

green

2
河合隼雄の臨床家としての追悼の本。河合隼雄関連で始めて読んだ。ユング派、夢分析、箱庭療法、など知らないことばかりでしたが、わかりやすい内容で、河合隼雄という人をおおまかにとらえられた。3年5年10年と、その人と向き合っていく臨床家、大変な仕事だと思います。2018/08/15

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