出版社内容情報
リベラルな社会という〈希望〉への連帯を説き続ける哲学者が,その主張を簡潔に示すエッセイ集.若き日の精神的遍歴を語り,サイエンス・ウォーズ,ハイデガーとナチズム,グローバリゼーションなどの現代的問題に切り込む.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田蛙澄
2
ローティの認識論的な部分より政治・倫理的な部分がより記述されているかと期待して買ったが、たしかに哲学的多元主義として人々がお互いの多様性を尊重する民主主義について公共的には一致し、私的にはそれぞれの信念によってプラグマティックに幸福になるという点は理解できたが、やはりプラグマティズム自体や民主主義そのものもさらにメタ的に歴史において幸福を増進するかのプラグマティックな効用から判定されるのだろうかと思った。 あと彼が功利主義というときのそれはミルの『自由論』に限定されベンサム的な系譜は無視されてるように思う2020/04/03
白義
2
『アメリカ』が主に政治思想中心ならこちらは思想、文化、政治全般にわたって自伝と共にローティの全体像を見渡せる総合的な入門書ですね。プラトン・カント的な基礎づけ主義の批判、というか無化を大陸哲学と英米哲学双方の成果を援用しながらやっているのが面白いです。全体的に極めて前向きなだけでなく、分かりやすく、そして何より実際に役に立つという点で現代思想界でも異彩を放っていますね。現実的な希望を抱くために必要な言葉遣いと思想です2011/06/27
takataka
1
★★★☆☆プラグマティズムの哲学者の著作は初めて。1990年代の著作集だが「グローバリゼーション、アイデンティティの政治、社会的希望」で取り上げられた問題は現代でさらに鮮明に現れていると感じられた。2025/07/12
バーニング
1
自伝まじりの入門書、なのかな。初学者にはやや読みづらいが、大陸哲学を批判しつつ、相対主義の伝統を強調することによって自分の立ち位置を吟味しようとしている。2011/03/26
yokkoishotaro
0
入門書と書いてありながらかなり難解。 ただ、柱となる主張はわかった気がするし、偶然性・アイロニー・連帯とのつながり(信念や真理についての話など)を感じることはできた。2015/01/26
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