出版社内容情報
実名を公表して薬害エイズ訴訟の先頭に立ち続けた青年,川田龍平.その母の心は,訴訟開始以来7年間,沈み,高ぶり,揺れ続けた.離婚から現在の思いまで,活躍の陰で人知れず日記に刻まれた苦悩と格闘の生々しい記録.
目次
1 裁判は始まったけれど
2 家族みんなが傷ついて
3 生き方を変えなければ
4 今、決断の時
5 離婚届にサイン
6 龍平、実名公表を決意
7 裁判に勝つためならば
8 かちとった和解、そして…
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マイケル
1
血友病の治療のため汚染された血液製剤によってエイズに感染した次男。次々に亡くなる患者。差別と偏見のため相模原障害者殺傷事件同様、匿名裁判の中での実名公表。被告企業によって分断された原告団。著者がスピーチした米国・公聴会での通訳者の著書「血の帝国―日米薬害エイズの舞台裏(マサミ・コバヤシ・ウィーズナー著)」に米国での薬害エイズ発生の経緯が詳しい。ホームレスなどとんでもないような人の血液で利益最優先の製薬会社。731部隊の生き残りの会社は汚染売血の事情を知りつつ危ない血液製剤を輸入・使用。司法取引の弊害。2020/01/16