ユーロ消滅?―ドイツ化するヨーロッパへの警告

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 144p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000254182
  • NDC分類 332.3
  • Cコード C0031

出版社内容情報

ユーロ崩壊の危機に対して,経済大国ドイツはいかに行動すべきか.債務国の予算決定に介入して主権を奪い,ユーロ圏から切り離すことで欧州の分断へと踏み出しかねないドイツ主導の権力地図に警鐘を鳴らし,危機を克服しながら連帯と統合を強化する方策を提起する.欧州共通の金融取引税や救済基金,社会保障の構想をもとにしたシナリオ.

内容説明

ユーロ崩壊の危機に対して、経済大国ドイツはいかに行動すべきか。債務国の予算決定に介入して主権を奪い、ユーロ圏から切り離すことでEUや欧州の分断へと踏み出しかねないドイツ主導の権力地図に警鐘を鳴らし、危機を克服しながら欧州の連帯と統合を強化する方策を提起する。欧州共通の金融取引税、救済基金、社会保障等を政策論だけではなく、市民の視点からも構想したシナリオ。

目次

第1章 いかにユーロ危機は欧州を分断かつ統合しているか(ドイツの緊縮政策が欧州を分断している。各国の政府は賛成しているが、各国の国民は反対している;欧州連合の成功について;経済というものの盲目性;欧州の内政。国民国家という概念で政治をとらえることは、時代錯誤である;欧州連合の危機は、債務危機なのではない)
第2章 欧州の新たな権力構造。いかにしてドイツによるヨーロッパという事態が生じているか(脅威を受けたヨーロッパと政治的なものの危機;欧州の新たな権力状況;「メルキァヴェッリ」。懐柔戦略としての躊躇)
第3章 欧州のための社会契約(欧州を拡大して、さらに自由を拡大しよう;欧州を拡大して、さらに社会保障を拡大しよう;欧州を拡大して、さらに民主主義を拡大しよう;権力の問題。誰が社会契約を実現するのか;欧州の春なのだろうか)

著者等紹介

ベック,ウルリッヒ[ベック,ウルリッヒ] [Beck,Ulrich]
1944年生まれ。元ミュンヘン大学教授。チェルノブイリ原発事故発生の年に刊行された『危険社会』(邦訳は法政大学出版局)が世界でベストセラーになるなど、現代を代表する社会学者。リスク社会論の第一人者として大きな影響力を持ち、個人化論やコスモポリタン化論でも知られる

島村賢一[シマムラケンイチ]
1959年生まれ。社会学者。放送大学・千葉大学ほか非常勤講師、世田谷区生涯大学専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

5
新刊棚より拝借。プレカリアートは非正規雇用者か失業者で、伊語と独語の造語(9頁註)。リスク社会は科学発達するほど、非知が増えるという矛盾(11、13頁註)。EU経済を牽引してきたといういいイメージのドイツ。しかし、著者は「緊縮財政の失敗の本質は、欧州の公共の福祉を単独で、一カ国的に規定しているばかりか、国家の利害を欧州の他の様々な民主主義に優先させて規定しているところにある」(74頁)。EUが昨年のノーベル平和賞となったのは、政治経済体制のしくみの安定性を期待してのことだろう。現実は道険しということだな。2013/04/30

ハンギ

1
EU連合やユーロがどうなっているかわからないので読んで見た。比較的最近の本で、原題は「ドイツ的ヨーロッパ」。ドイツがメルケル首相という強い態度で臨む代表をEUによこした結果、危うくユーロは分断という危険に晒されているのだそうだ。面白いのはドイツ国内に対しては社民的な態度をメルケルは示しており、選挙に勝利しているという。国民国家とEUの関係はどうやら一筋縄ではいかなさそうだ。メルケルの態度はメルキャべリズムとして批判されているが、ベックも政治家は国民国家に対して不利に働くような革命をすべきと過激である。2014/01/30

Humbaba

1
人が生きていれば、そこには必然的に様々なリスクが内包される。大切なことは、リスクを無くすことではなく、そのリスクを正しく評価、管理することである。ユーロはその中に様々なリスクを抱え込んでいる。そして、そのリスクは決して小さなものばかりではない。そのリスクを認識し、どのように対処するかを考えて行動することが必要になる2013/06/14

パラ野

0
ユーロ危機を知りたい人には、無駄ではないが、フランス、イギリス、その他のドイツの本もバランスよく読もうね。給食で三角食べを習ったように、としか言えない。ドイツから見たユーロ危機ですね。それでも、南欧に分類された国々で何が起こったのかわからない栄養不足ですよと書くしかないんだよ。ギリシャ語圏のメディアでニュースチェックしてるので、ドイツの視点が斬新でした。そして、引用されてるドイツの新聞、見出しが過激ですね、絶叫しながらぶん投げたくなった。2014/02/21

wanted-wombat

0
あとがきに丁寧な要約があるので、内容だけざっと浚いたいのならそこだけ読めばよい。だが、そこを読むときっと本文も読みたくなる。2013/08/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/6364795
  • ご注意事項

最近チェックした商品