出版社内容情報
北米にあってフランス語を唯一の公用語とするケベックでは、厳格な政教分離とは異なる間文化主義的なライシテが独自の発展を遂げてきた。そこに見られる調整の精神が、ポスト世俗と言われる現代社会において持つ意味とは。長年ライシテ研究を続けてきた著者が、ヴェール問題、宗教教育、裁判の事例にまで踏み込んで論じる。
内容説明
北米にあってフランス語を唯一の公用語とするケベックでは、厳格な政教分離とは異なる間文化主義的なライシテが独自の発展を遂げてきた。そこに見られる調整の精神が、ポスト世俗と言われる現代社会において持つ意味とは。長年ライシテ研究を続けてきた著者が、ヴェール問題、宗教教育、裁判の事例にまで踏み込んで論じる。
目次
第1章 「静かな革命」と宗教性の変貌
第2章 宗教から言語へ―世俗的ナショナリズムとイタリア系移民コミュニティ
第3章 間文化主義的なライシテの「誕生」―多元的社会の共生理念
第4章 共和主義的なライシテの台頭―理念の実現か、理念からの逸脱か
第5章 社会のなかの宗教―ヴェール論争
第6章 学校のなかの宗教―「倫理・宗教文化」教育
第7章 法廷のなかの宗教―「宗教の自由」は西洋近代的「宗教」概念の再生産装置なのか
著者等紹介
伊達聖伸[ダテキヨノブ]
1975年仙台市生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻教授。専門は宗教学、フランス語圏地域研究。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。フランス国立リール第三大学博士課程修了(Ph.D.)。2011年、『ライシテ、道徳、宗教学』(勁草書房)でサントリー学芸賞、渋沢・クローデル賞、日本宗教学会賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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