出版社内容情報
面白い物語はどのようにして作るのか? ガルシア=マルケスとプロのシナリオライターの仲間たちがハバナに結集.視聴者に訴えかけるストーリーづくりの秘法を語り合う.稀代のストーリーテラー,ガルシア=マルケスによる,実践的〈物語の作り方〉道場.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えりか
45
30分のドラマ脚本を作るために開かれたワークショップ。面白かった。創造は楽しい。物語がどんどん広がっていく様や、袋小路にはまっていた物語が誰かのふとした発言でトントンと進んでいく様など、わくわくした。余命幾ばくかの男の孤独な旅の話が聖人の話になったり、三角関係の話がヘリコプターで牛が飛ぶ話になったり、悲劇的なラブストーリーかと思って話していたら、実はコメディだったなど、ほんとに創造は尽きない。ガボの発言がとても勉強になるのはもちろんで、たまに出るジョークもまたいい。脚本家と監督の裏話も面白かった。2016/07/11
月世界旅行したい
15
昔読んだ。余計なものを足してはいけない、そういう場合大抵失敗する。2015/06/07
ゆき
15
ガボことガルシア=マルケスと若手映画関係者らによるシナリオ教室。講義ではなくひたすら続く実践経験により、脚本が生成される過程を記しています。冗長なところはあるものの、過程自体を追うのも面白いです。さらに、ガボの小説、脚本のそれぞれへのこだわりが目を引きました。いずれのメディアを使うにしても、ガボは物語を語ることがとにかく大好きで、頭の柔らかさと頑固さの両方を兼ね備えていている人だと思いました。『百年の孤独』を映画化しない理由とか、その他の小説についての話も所々出てきて非常に興味深かったです。2009/09/23
aoneko
13
ガルシア=マルケスが、若い脚本家・脚本家志望の人たち、映画監督と、三十分もののTVドラマの脚本を作るべく議論を戦わせた記録。時々びっくりするような過激な発言を織り交ぜつつの、ほぼディスカッションだけど、二ヶ月程前から何かの合間合間に読むというペースだったので最後まで飽きることなく、面白く読めた。方法が映画であれドラマであれ小説であれ、「何かを物語りたい」という幸せな奇病にかかっているマルケスの思考の一端を垣間見た(気にはなれる)本。2013/08/06
こうすけ
12
20世紀文学の巨人ガルシアマルケスが、30分のテレビドラマのシナリオ術を語ったワークショップの本。黒澤明への言及が多い。ワークショップってそういうものなのかもしれないが、話がまとまりだすと根本を覆そうとする脈略ない意見を述べる生徒たちにイラつく、たまにマルケスもイラついている。でも仕事しててもそういう人はよくいるし、物語を作るうえでは大事なのだろう。ところどころこぼれるマルケスの創作についての話は面白い。2020/07/23