出版社内容情報
変えられない過去に縛られ、予測できない未来に脅かされ、そして時間の中で常に変化していく私たちにとって、民主主義とはいったいを意味するのか? 憲法前文や緊急事態といった具体例とともに、古典から現代に至る政治思想史を読み変えることで、政治における時間の意味を根底から問い直す。俊英が切り開く政治論の新たな地平!
内容説明
「私たちの行く末を私たち自身が決める」という民主主義の原則には、時間をめぐる巨大な問題が存在する。もはや変更できない過去に縛られ、これからやってくる未来から脅かされる「私たち」は、時間の中で常に変化していく存在でもある。憲法前文や緊急事態といった具体例とともに、古典から現代に至る政治思想史を読み変えることで、政治における時間の意味を根底から問う。
目次
序論 時間の問題―『慎慮の寓意』とその先
第一章 過去―死者による支配からの解放
第二章 未来―将来の民主主義と民主主義の将来
第三章 テンポ―民主主義の遅さと遅れ
第四章 代表―デモスの持続的な現在
第五章 民意―代表制民主主義における不純さ
第六章 はじまり―主権者の意味と無意味
第七章 終焉―民主主義がなくなるとき
著者等紹介
鵜飼健史[ウカイタケフミ]
1979年生、愛知県出身。専門は政治理論。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学、博士(社会学)。日本学術振興会特別研究員、早稲田大学助教などを経て、西南学院大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Go Extreme
2
民主主義と時間の巨大問題 クロノス(量)とカイロス(質) 民主主義の適速 速さへの対抗は遅延 デモス統治遅れ 代表不可避 代表制理由 デモス確定に時間要 民意とは何か 内か外か 民意 権力関係産物 一時的形成 代表は不純 自己統治遅延 主権者は自己言及的に構成 主権者は自己の始まり説明不能 緊急事態 民主主義で良いか露呈 民主主義 偶発性遭遇不可避 緊急時 執行権拡大は破壊リスク 効率性は民主主義で下位価値 緊急時の政治判断は民主主義の責務 平時に民主主義価値確認 共通理解 民主主義 偶発性包摂し変容2025/05/02