出版社内容情報
私たちは水俣病をいかなる言葉で語れるのか。終わらない問いを自らの課題として受けとめ、いまの生き方に照らし返すこと。作家や学者たちの声に導かれ、水俣が触発する様々な現代的問いをともに考える。井上ひさしら十名の講演を収録。
内容説明
私たちは水俣病をいかなる言葉で語れるのか。終わらない問いを自らの課題として受け継ぎ、いまの生き方に照らし返すこと。消費と経済、農と環境、想像力と文学、幸福と悼み、命と科学、三・一一、いじめ、希望―水俣が触発するさまざまな現代的問いかけを、作家や学者たちの声に導かれながら自分の関心にむすびつけ、ともに未来を考える。歴史と私たちをつなぐ希望の応答。
目次
水俣―南北問題と環境問題の交わるところ(日高六郎)
近代日本―水俣病への道(鶴見俊輔)
水俣病と幸福の定義(池澤夏樹)
コメと水俣病―戦後日本農政の影(井上ひさし)
軽視され続けた海の民―日本社会史から(網野善彦)
水俣病が求めること―二・五人称の想像力(柳田邦男)
三・一一と水俣病(高橋源一郎)
水俣から学び生きものを愛づる生命誌へ(中村桂子)
語らざるものたちの遺言―石牟礼道子と水俣病の叡智(若松英輔)
呪いたい社会でも命を祝福したいから(奥田愛基)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
belier
5
水俣病問題について、いろいろな分野で高い見識を持つ人たちが語った講演集。講演者たちがそれぞれの見地から水俣病を語り、立体的にこの問題を見直せた。また逆に講演者の思想をあらかじめ知っていた人が多かったため、その人が思想を水俣病にどう関連づけるかという観点からも興味深かった。分野をまたがる思考といえば、こうした本で水俣病についての考えを深め、原発、環境、人権、そして戦争などの事象を見るときに生かせればと思っている。2022/03/25
黒豆
2
現代の方々が水俣病について語った講演集。池澤さんの福島と水俣は同じだというお話に納得しました。2019/01/06