街を浮遊する少女たちへ―新宿で“待つ”“聴く”を続けて50年

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  • サイズ B6判/ページ数 145p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000248075
  • NDC分類 367.6
  • Cコード C0036

内容説明

新宿で五〇年間、少女たちに出会い、心ひらくまで待ち、心のつぶやきに耳をかたむける…。家出をした少女、性を商品化する少女、暴力をふるわれた少女。異性との関係に悩む少女。希薄な人間関係のなかで、学校や家庭から外に向かっていく少女。相談員として、彼女たちの「止まり木的」存在でありつづけている著者は、ときには、人生のさまざまな「再出発」にも伴走する。いまの「性と生」を綴る、稀有なエッセイ。

目次

序章 新宿の日々
1章 少女たちに寄り添って
2章 孤独のなかで
3章 家族
4章 いのちを取り戻す
5章 性と生
おわりにかえて

著者等紹介

兼松左知子[カネマツサチコ]
1925年中国東北部(旧満州)で生まれる。44年恵泉女学園高等部を卒業、同年再び、旧満州へ。敗戦後、その地に残り、53年に帰国。57年に東京都社会事業学校を卒業、同年、東京都相談員として、新宿区婦人相談員になる。定年後以降の現在も、新宿で相談業務にあたっている。エイボン功績賞、東京弁護士会人権賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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プル

18
著者 兼松左知子さんが亡くなった記事を目にし、本を手に取った。援助交際、制を商品化する少女、DVをふるわれた子、異性との関係で悩む人たちとどうしてやり取りできるのか不思議だった。元赤線廃業時の相談員だったとのことで合点がいく。現代の援助交際は非行ではなく、愛に飢え、寂しさを抱えて自分を取り戻すための手段だとしたら、何と恐ろしくリスクある事か。周りの大人が突き放すのは、それ以前に信頼関係が崩れた成れの果て。お金、愛情が欲しくて、性産業する自分が嫌で、自分を壊したくなる女性達。決して対等ではない女性達。2022/01/22

ユッチー

1
50年以上に渡って新宿で身売りを続ける少女達を追い続けた女性の記録。どの子ども達も根幹には「誰かに認めてもらいたい」という思いがあるような気がする。2014/09/16

りお@積読本増加中

0
水谷先生の模倣のような活動してるなぁ、というのが第一印象。 「もっと悲しんで、もっとちゃんと叱ってほしい」これに尽きる。今までがんじがらめにあれはダメこれはダメしっかりしなさいと言っていたのが、引きこもりや家庭内暴力で消え、親は媚びへつらうようになる。 あの子はしょうがない、という腫れもの扱い。そうじゃなくて、前みたいにちゃんと私を見て。 (感想にならなくてごめんなさい)2016/12/06

MIYA

0
「新宿」の闇は深い。それだけに、兼松さんのアクションは少女たちにとってこの上ない光となるのでしょう。「性と生」を教科書的に理解するだけでは足りなくて、体験や経験則を交えた「物語」としての共感が求められているのだと思った。傷ついた心にとって大事なのは”理解”ではなく、あくまで”共感”なのだと思う。2015/04/18

彩灯尋

0
自分ではどうしようもできなくなってしまった人を見捨てるのではなく、助け合っていけるような世の中であって欲しい。2013/12/11

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