出版社内容情報
「個体差や不均一性のモデル化」という視点からベイズモデリングの世界を俯瞰する。生態学、医学、地球科学、自然言語処理などを例に各分野の第一人者が平易に解説。(執筆=伊庭幸人、久保拓弥、丹後俊郎、樋口知之、持橋大地、田邉國士)
内容説明
ベイズ統計について統計モデリングの立場から幅広く解説。特に、階層ベイズモデルや状態空間モデルの周囲にひろがる世界について、さまざまな視点から論じる。
目次
第1部 ベイズモデリングの世界(平均値から個性へ―統計的モデリングのひらく世界像;階層モデルで「個性」をとらえる;個人差・地域差をとりこむ統計科学―医学分野の事例;全体モデルから局所モデルへ―状態空間モデルとシミュレーション;生きた言葉をモデル化する―自然言語処理と数学の接点 ほか)
第2部 階層ベイズ講義(ベイズ・階層ベイズ・経験ベイズ;階層ベイズの2つの顔;相関を表現する事前分布;外れ値・クラスター分け・欠測;付録A 階層ベイズモデルの予測分布 ほか)
著者等紹介
伊庭幸人[イバユキト]
統計数理研究所(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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shin_ash
2
岩波DSシリーズっぽい、雑誌的編集の伊庭先生の本。DSシリーズと異なり実務と実践よりは、考え方・捉え方に軸足を置いた内容になっている。DSシリーズなどを頼りに実務にトライするものの途中で「?」となった時に立ち返る拠り所になると感じる。MCMCで解く問題や状態空間モデルで解く問題が、雰囲気は似た気がするのに、ツールが異なるため見た目には異なって見えるモヤモヤ感を"階層ベイズモデル"をキーワードに地続きにして解説してくれるので、見通しが良くなった気がする。難易度は低くないが、DSシリーズと対で揃えたい良書。2018/01/28
Józef Klemens Piłsudski
1
大雑把なヒントだけだが混合分布の場合にパラメータに漸近理論をどう適用するとか、従来の教科書には書いてないが実用すると直面しがちなわかりにくい話にも言及していたので良かった。2018/03/26
S
1
前半は複数著者がベイズの現代的諸相(平均から個別へ、演繹から帰納へ)をそれぞれ解説。後半は、主著者がベイズの講義。「ベイズってこういうもの」と考え方を主眼に説明しつつ、ちょいちょい深そうな話が入っているが、ちょっと理解しきれない(紙面も足りてない?)。他の本もあたってみよう、という気分に。2018/03/13
ふくろう
0
長々と持ち歩いてようやく読了。集中して読んだほうがよかったと少し後悔している。内容はとてもおもしろく、ベイズモデリング、特に階層ベイズの解説が詳しい。ベイズモデリングだと、大域的なパラメタと局所的なパラメタを同時に設定できて、一度に推定できる、という説明が腑に落ちた。それと田邊さんの文章はよく考えられていて、一読の価値があると思った。2019/05/29
jackkitte
0
様々な分野におけるベイズ統計の位置付けを俯瞰する意味では良書である。2018/08/14