出版社内容情報
文学とは、なにか――それはいわゆる文学作品、小説だけを意味するものではいない。ノンフィクションでもマンガでも、社会の実相と、そこに生きる人間の生を活き活きと描き、作家が同時代と切り結ぼうとする懸命の試みこそが、文学なのだ。そして、その文学を誠実に読み解こうとする試みもまた、時代と切り結んでゆく。読むこと――その豊饒な世界への誘い。
内容説明
同時代と切り結び、実社会と、そこに生きる人間の営み、その真実に迫るものこそ、文学だ。小説からノンフィクション、マンガにTV、鉄道に将棋…幅広いジャンルの、さまざまな書籍の海原を渉猟し、読むことの豊饒な世界にあなたを誘う。
目次
1(鴎外が眺めた「燈火の海」―森鴎外『舞姫』;崖下の家の平和と不安―夏目漱石『門』 ほか)
2(生き抜くための比較文化―呉善花『スカートの風―日本永住をめざす韓国の女たち』;女性に叱られないで済む場所―浜なつ子『死んでもいい“マニラ行きの男たち”』 ほか)
3(老文士の「のんびり時間旅行」―獅子文六『ちんちん電車』;「汽車好き」その究極形―宮脇俊三『汽車旅12カ月』 ほか)
4(猫たちの合唱―群ようこ『たかが猫、されどネコ』;本質推理小説―夏樹静子『腰痛放浪記椅子がこわい』 ほか)
著者等紹介
関川夏央[セキカワナツオ]
作家。1949年、新潟県生まれ。上智大学外国語学部中退。『海峡を越えたホームラン』(双葉社、1984年)で第7回講談社ノンフィクション賞、『「坊っちゃん」の時代』(双葉社、1987‐97年)で第2回手塚治虫文化賞を受賞。2001年には、その「人間と時代を捉えた幅広い創作活動」により第4回司馬遼太郎賞を受賞した。『昭和が明るかった頃』(文藝春秋、2002年)で第19回講談社エッセイ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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