出版社内容情報
著者はパンソリの演者で小劇団の役者だったが,突然国立劇場長に,その後文化庁長官に抜擢される.グローバル化に揺れる韓国の文化界の中で,伝統文化をどう新しく世界に提示するか,市場を意識しつつすぐれた文化を創造することはどのように可能かを問い続ける姿勢は,文化戦略が問われる現代の日本にも重要な示唆を与えるだろう.文化庁長官だった河合隼雄氏との対話を付す.
内容説明
韓国固有の伝統文化をどのように世界にむけて提示していくのか。すぐれた文化を創造することと市場での成功はどのように両立可能なのか。パンソリの演者で劇団の主宰者、役者という現場の道を歩んできた著者は、国立劇場長を務め、その後文化観光部長官に抜擢されるが、その間もこのような問いを日々自問する。グローバル化に揺れる韓国で、文化の伝統と現代化を問い続ける姿勢は、文化戦略が問われる現代の日本にも重要な示唆を与えるだろう。文化庁長官だった故河合隼雄氏とのソウルでの対話を付す。
目次
1 世界を読む(蝶の夢;舞台芸術界に吹き告れる西洋ブランドの風 ほか)
2 文化を読む(ミス・キム・ライラックと文化の種子;文化の地下水脈開発に渾身の力を注げ ほか)
3 芸人を読む(人生と演出;クァンデ(芸人)の精神 ほか)
4 書物を読む(新しい芸術の海「ブルー・オーシャン」に旅立とう;六つの人生戦略 ほか)
対話 キム・ミョンゴン/河合隼雄―文化の新たな出会いと創造
著者等紹介
キムミョンゴン[キムミョンゴン]
金明坤。1952年、全羅北道全州生まれ。劇作家、演出家、俳優。東洋大学教授。ARI INTERWORKS代表。ソウル大学師範大学ドイツ語教育学科、東国大学言論情報大学院卒業。大学在学中に演劇活動を始め、またパンソリの名唱、朴初月に師事。雑誌『プリギプンナム』の記者などを経て、1986年に劇団「アリラン」を創設。また『一松亭の青松は』に出演後、映画界でも活躍し、1993年『風の丘を越えて―西便制』で青龍映画賞主演男優賞受賞。2000年から6年間国立劇場長を務め、2006-07年、韓国文化観光部長官になる
マジョンヒ[マジョンヒ]
馬政煕。演劇評論家、翻訳家、舞台企画者。韓国中央大学演劇学科を経て、日本大学芸術学部大学院芸術学研究科、修士、博士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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