出版社内容情報
福島第一原発事故における核技術の暴走は悲惨な結果をもたらし,いまなお放出される放射能が生態系をはじめわれわれの生活を脅かしつづけている.なぜこのような原発事故が起きたのか,その事故原因とプロセスはいまだ確定されていない.科学・技術,および倫理の観点から,現時点で可能なかぎり福島原発事故の真相に迫る.
内容説明
福島第一原発事故は悲惨な結果をもたらし、いまなお漏出される放射能が生態系をはじめわれわれの生活を脅かしつづけている。なぜこのような原発事故が起きたのか、その事故原因とプロセスはいまだ確定されていない。地震による損傷は本当になかったのか?放射能汚染はどのように広がっているのか?制度や組織的背景、倫理的観点も含めて、福島原発事故をもたらした真相に迫る。2012年8月30・31日に行われた国際シンポジウムの記録。
目次
1 福島第一原発で何が起こったか(福島原発事故における地震による機器損傷の真相に迫る;福島原発事故から、すべての原子力関係者が学ばなければならないこと ほか)
2 放射能汚染の現状(福島原発事故による放射能汚染の実像;原子炉建屋地下室に漏出する膨大な高濃度放射能汚染水の危険性 ほか)
3 日本の原子力政策と安全神話の形成(福島原発事故の「政策失敗病」としての諸側面;原子力の“平和利用”と核開発―核拡散問題への注視を ほか)
4 核をめぐる科学・技術のあり方(犠牲のシステム―責任をめぐる一考察;エネルギーの倫理とドイツ社会の変化―「安全なエネルギー供給のための倫理委員会」の経験から ほか)
著者等紹介
黒田光太郎[クロダコウタロウ]
名城大学教授/シンポジウム実行委員長
井野博満[イノヒロミツ]
東京大学名誉教授/シンポジウム・コーディネーター
山口幸夫[ヤマグチユキオ]
原子力資料情報室・共同代表/シンポジウム・コーディネーター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。