出版社内容情報
「じっと眺めていると,何だか違った様な気がする」(夏目漱石『門』).街で,家で,文学を読むときもまた,〈見る〉ことをやめられない我々は,〈凝視する〉行為のなかで何を見いだすのか? 茨木のり子の詩,古井由吉と『炎のランナー』,村上春樹と選挙──そこに潜む問題とは? 新しい知の可能性に迫る,斬新な文学論!
内容説明
“読む”とは、“見る”こと?目の機能から切り込む斬新な文学論。
目次
繰り返す―茨木のり子「わたしが一番きれいだったとき」
目を凝らす―ハンス・ホルバイン『大使たち』とハワード・ホジキンのストローク
スローモーションにする―『炎のランナー』と古井由吉
注意散漫となる―太宰治「トカトントン」と「富嶽百景」
「一」になる―村上春樹と「英語青年」と選挙
声を見る―I.A.リチャーズとエンプソンと批評の時代
沈黙を聞く―ワーズワスと萩原朔太郎
批評する―小林秀雄と柄谷行人
絵を動かす―マーク・ロスコの文法
勢いをころす―太宰治「如是我聞」と志賀直哉のリズム
見ようとせずに見る―志賀とバルトとモランディの秘術
錯覚する―夏目漱石『文鳥』『夢十夜』とフラクタル
甘える―通俗小説と純文学と大江健三郎『水死』
誘導する―松本清張『点と線』とカーヴァー「大聖堂」とあみだくじ
文学が分からない―デューラー『メランコリア』と西脇順三郎
著者等紹介
阿部公彦[アベマサヒコ]
1966年生まれ。東京大学文学部准教授。英米詩専攻。東京大学大学院修士課程修了、ケンブリッジ大学大学院博士号取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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