検証 福島原発事故・記者会見―東電・政府は何を隠したのか

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検証 福島原発事故・記者会見―東電・政府は何を隠したのか

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  • サイズ B6判/ページ数 205p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000246699
  • NDC分類 543.5
  • Cコード C0036

出版社内容情報

なぜ彼らは情報を隠し、深刻な事故を過小評価し、誤った説明を繰り返してきたのか。そして、その責任はどこにあるのか。事故後、記者会見に出席し続けた著者が、膨大なメモと新たな取材をもとに、正面から検証に挑む。マスメディアはなぜ発表ジャーナリズムに堕し、〝大本営発表〟を許したのか、そのあり方も厳しく問う。

著者からのメッセージ
2011年3月中旬,最初に東京電力本店の1階にある記者会見室に足を運んだとき,座るところもなく,周囲の記者の邪魔にならないように,わずか30センチ四方の隙間に立ち尽くしていました.それから連日の記者会見に通いつめ,すでに9カ月.福島第一原発事故関連のニュースは徐々に減り,12月には野田政権が事故の収束宣言を出しました.
しかし,放射能汚染問題に解決の糸口は見えず,福島県はもちろん,福島県外の状況にも大きな変化は見えません.福島第一原発事故後に東電,政府がどのように情報を発表してきたのか.本書でこれまでの経緯を振り返ることで,現状を正面から見るためのきっかけになればと願っています.
日隅一雄
木野龍逸

■ 著者略歴
日隅一雄(ひずみ かずお)
1963年生まれ.京都大学法学部卒業後,産経新聞社入社.退社後,弁護士登録.NHK番組改変事件,沖縄密約開示請求事件などの弁護団に参加.インターネット市民メディア『News for the People in Japan』(NPJ)編集長.
著書――『マスコミはなぜ「マスゴミ」と呼ばれるのか』(現代人文社),『審議会革命――英国の公職任命コミッショナー制度に学ぶ』(編訳,現代書館)

木野龍逸(きの りゅういち)
1966年生まれ.日本大学経済学部卒.編集プロダクションに所属後,オーストラリアの邦人向けフリーペーパー,アウトドア雑誌の編集部などを経て,フリーランスのライター兼カメラマンとして活動.主に車の環境問題,次世代車,エネルギー問題,経済と環境の関係などについて,国内,欧米,アジアで取材を行う.
著書――『ハイブリッド』(文春新書)

■ 目次

はじめに
1 メルトダウン
2 SPEEDI
3 「想定外」
4 プルトニウム
5 作業員の被曝
6 汚染水,海へ
7 工程表
8 フリージャーナリスト排除
9 低線量被曝
10 何を守ろうとしたのか
おわりに

トピックス
(1) 原発のしくみ
(2) 東電の説明者たち
(3) 「大本営発表」
(4) おがくずと入浴剤
(5) 要望書をめぐる嘘
(6) 黒塗りのマニュアル

東北地方太平洋沖地震
 2011年3月11日午後2時46分,宮城県・牡鹿半島の東南東沖約130キロの海底を震源とする巨大地震が東日本を襲った.この地震とそれに続く津波で,死者1万5000人,行方不明者3000人以上という凄まじい被害が生じた.
 地震発生時,弁護士である日隅は,新宿の事務所で顧客と打ち合わせ中だった.次々と襲ってくる余震のなか,話を切り上げ,事務員らは近くの公園に避難.日隅は外からの連絡に備え留守番をしながら,テレビで臨時ニュースを見ていた.被害の全体像が一向に見えてこない状況から,事態の深刻さが想像できた.間もなく,津波が町や田畑を飲み込む映像が飛び込んできた.
 朝から東京・お台場へ取材に出ていたフリーライターの木野は,杉並区の自宅に戻った直後に揺れに襲われた.本震の揺れは,今まで経験したことがないほど長く続いた.テレビからは東北地方が極めて混乱しているという情報以外は伝わってこなかったが,16年前にボランティアとして滞在した神戸で目の当たりにした大震災後の街の様子が蘇り,顔が上気するのを感じた.続いて映し出された津波の映像を,この時はただ,呆然と眺めていた.
 交通網が完全に麻痺した東京では夕方から,帰宅の足を奪われた会社員らが幹線道路沿いに延々と歩き続け,ニュースはその様子を報じ続けた.ツイッターには,徒歩で何時間もかけて自宅に向う人たちや,食料も水もなく途方にくれる人たちが発信する生々しい声があふれた.
 とはいえ,原子力発電所が直面していた危機に関する情報は,まだ多くはなかった.


 原子力緊急事態宣言
 太平洋に面した福島県・浜通り地方に位置する東京電力・福島第一原子力発電所.地震発生直後に,稼働中だった1号機から3号機の原子炉が緊急停止した.
 このとき,異常事態はすでに始まっていた.地震により原発敷地内にある送電線鉄塔が倒壊し,外部電源が途切れたのだ.原子炉の冷却を続けるためにすぐに非常用ディーゼル発電機が稼働したものの,午後3時30分ごろから到来した津波は原発の命綱である非常用発電機のほとんどを水没させ,その機能を奪い去った.
 そして午後3時42分までに,1号機から3号機で全ての交流電源が喪失.原発の運転に従事する者たちがもっとも恐れる,ステーションブラックアウトと呼ばれる事態に陥った.
 所内電源がなくなったことによって,1号機と2号機では炉心への注水ができなくなり,福島第一原発の吉田昌郎所長は,原子力災害対策特別措置法15条の「原子力緊急事態」に該当すると判断,原子力安全・保安院(以下,保安院),東電本店などにファックスで通報した.これを受けて菅直人首相は,午後7時3分,同法施行後初めてとなる「原子力緊急事態宣言」を発令した.
 午後8時50分,福島県は原発から半径2キロの住民に避難指示を出した.
 さらに午後9時2分,吉田所長は核燃料の頂部が露出する可能性があるため,「地域住民に対して避難するよう自治体に要請の準備」と保安院に報告した.
 菅首相は午後9時23分,福島第一原発から半径3キロの住民に避難を,半径10キロの住民に屋内退避を指示した.大熊町,双葉町,富岡町,浪江町が避難区域に含まれていた.

岩波書店ホームページより

内容説明

原発事故後の記者会見で、東電・政府はどのように情報を隠し、深刻な事故を過小評価し、誤った説明を繰り返してきたのか。記者会見に出席し続けた二人の著者が、膨大な取材メモと新たな取材をもとに、正面から検証に挑む。また、マスメディアはなぜ“発表ジャーナリズム”に堕してしまったのか、そのあり方も問う。

目次

1 メルトダウン
2 SPEEDI
3 「想定外」
4 プルトニウム
5 作業員の被曝
6 汚染水、海へ
7 工程表
8 フリージャーナリスト排除
9 低線量被曝
10 何を守ろうとしたのか

著者等紹介

日隅一雄[ヒズミカズオ]
1963年生まれ。京都大学法学部卒業後、産経新聞社入社。退社後、弁護士登録。NHK番組改変事件、沖縄密約開示請求事件などの弁護団に参加。インターネット市民メディア『News for the People in Japan』(NPJ)編集長

木野龍逸[キノリュウイチ]
1966年生まれ。日本大学経済学部卒。編集プロダクションに所属後、オーストラリアの邦人向けフリーペーパー、アウトドア雑誌の編集部などを経て、フリーランスのライター兼カメラマンとして活動。主に車の環境問題、次世代車、エネルギー問題、経済と環境の関係などについて、国内、欧米、アジアで取材を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Jun 1960

5
大本営発表の記録集。呆れてしまった2012/07/18

V6_1800

3
事故当時、どうしてこんなすぐわかる嘘を発表し続けるのか?マスコミは何やってるんだ?と憤りつつ諦観していた自分にとって、発表を批判、誤りの指摘をした記者も相当数いたというのは若干の救いになった。が、それも結局会社組織の姿勢に飲み込まれる中、フリーランスとして真実の追究を求め続ける筆者の姿勢に頭が下がる。感情を交えず、起きた事実を淡々と書くスタイルも良いと思う。2019/12/17

森博嗣作品が好き

3
一言で言えば「酷い!!」 東電も政府も安全委員会等も「酷すぎだ!!」。  大地震も津波も怖いけれど、原発事故の方がもっと「恐ろしい~!!!!!」。 それなのに大飯原発は再稼動してしまった。 今日も活断層が真下に有る原発が3基だとかマスコミが発表しているが、本当はもっとだと思われる。 判っている限りの真実を伝えてもらいたい。 キチンとしてもらいたい!!2012/07/04

coolflat

3
記者会見を通じて東京電力、政府、保安院のいいかげんで無責任な体質を如実に本を通じて感じることが出来る。メルトダウンのくだりについて当初は政府もマスコミも本音で話していた部分もあったが保安院の西山審議官に代わってからはその表現がトーンダウンしていくことになった。というのを改めて思い出された。興味深かったのは、朝日新聞の記者がポイントとなるところで厳しい追求をしているのが印象に残った。そして、あの江川紹子氏も20ミリシーベルト問題ではがんばっていたのだなあと。2012/05/10

WildCat

2
東北地方太平洋沖地震に伴う原発事故を巡る一連の騒動について、東電・政府がどういった収束行動をとったのか、またマスメディアがどのように報道していったのかがかなり詳細に記されています。この本は批判しているのではなく、事実に基づき極めて中立的な立場で検証している点で、後世に残す記録として意義があると思いました。筆者はあの事故を風化させることなく記録を残したかったと述べており、持病に耐えながらも膨大な記者会見に出席していたという。そんな筆者に敬意を表します。2014/10/21

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