文学をめぐる理論と常識

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  • サイズ A5判/ページ数 345,/高さ 21cm
  • 商品コード 9784000246392
  • NDC分類 901
  • Cコード C0097

内容説明

「理論」に「常識」が異議を申し立てるとき、文学作品を手にする者がとるべき道は何か。力を失ったように見える文学理論がもちうる意味とは何か―。テリー・イーグルトンの名著『文学とは何か』と双璧をなす、フランス文学研究の第一人者による概説書。ロラン・バルトの最後の弟子にして、現在フランスの文学研究で追随を許さぬ地位にある著者は、「文学」、「作者」、「世界」、「読者」、「文体」、「歴史」、「価値」という、あまりにも基本的な七つの概念をあえて軸に据え、文学をめぐる本質的な問いに挑み、「理論」の意義と限界を改めて測定する。古代ギリシア・ラテン以来の西洋文学の歴史を射程に入れた包括的な理論書であると同時に、文学理論をめぐる明快な見取り図を提示する第一級の概説書でもある。

目次

序章 われわれの恋愛から何が残ったか
第1章 文学
第2章 作者
第3章 世界
第4章 読者
第5章 文体
第6章 歴史
第7章 価値
結論 理論の冒険

著者等紹介

コンパニョン,アントワーヌ[コンパニョン,アントワーヌ][Compagnon,Antoine]
1950年ベルギー生まれ。コレージュ・ド・フランス(パリ)教授・コロンビア大学(ニューヨーク)教授。フランス文学、文学理論

中地義和[ナカジヨシカズ]
1952年和歌山生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授。フランス文学

吉川一義[ヨシカワカズヨシ]
1948年大阪生まれ。京都大学大学院文学研究科・文学部教授。フランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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燃えつきた棒

37
日仏会館のイベント『合わせて80年を振り返る ―文学の教師として、研究者として―』に、著者のアントワーヌ・コンパニョンと訳者の中地義和が登壇するので手に取った。 イベント自体は、6月の終わりに開催されたのだが、読了の方はこんなにも遅れてしまった。 それでも、イベントへ参加しなかったら、手に取ることもなかったかもしれない本書が読めたのだからよしとしよう。2021/07/23

nranjen

3
二度目に図書館から借りて読みました。コンパニョン先生好きです。この本再度改めて読んで、また良いと思いました。極端に行き過ぎた過去の文学理論を見つめ直し、根本的な問いを再度なげかけています。文体も非常に明晰簡潔。訳もとてもわかりやすいです。この本とても欲しいのですが、密林で売っていても中古、しかも高いです。買えません。また借ります。2015/12/23

さちこ

2
文学理論についての本。文学理論の概観を学べる。ざっくりまとめると、いろんな文学理論が常識に覆されてきたんだよという内容。テリー・イーグルトンの『文学とは何か』と同じで、悲しいことにこの本を読んでも文学理論が身に付く訳ではない。むしろ拠り所にする理論を失って無力感すら感じるだろう。文学ってなんなのかますます分からなくなる。だが文学に興味があるならば、その面白さの一片を堪能できると思う。やっぱり文学って面白い。筆者によってばっさばっさとあらゆる理論が薙ぎ払われて行くのは壮観。2012/12/05

noeon

1
鮮やかな手つきで文学書理論を腑分けしていく。このわかりやすさこそ今っぽい。必読だろうが、読むのにある程度の予備知識はいるか。2017/06/28

aabbkon

1
作者・テクスト・読者の三者が覇権を争って、スタンリーフィッシュにおいてすべて無化される歴史は、文学理論の不毛さを端的に示している。文学を語るために文学理論を参照するとき、私たちはすべての理論と一定の距離を置いて話し始めなければならない。2013/04/21

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