出版社内容情報
「災後」と「戦後」の共存という事態は何を意味するか。この社会の新たな問題を考えるための指標を示す。
内容説明
三・一一がこの国にもたらした課題、そして国内的文脈で問われる「戦後の日本」というあり方と、国際的文脈で問題化される「日本の戦後」のあり方のズレがもたらす課題―「災後」と「戦後」の共存=重合という事態が、この社会の問題を考えるための新しい指標として浮上している。黄昏ゆく日本社会が問われていることの核心とは、なにか。「災後」と「戦後」という二つの異なる問題を、ともに視野におさめ、その共存=重合のありようと向きあうことは可能なのか。刺激的な災後日本の政治・社会論。
目次
0 災後と戦後―33年後の「アメリカの影」(災後と戦後;田中康夫の『33年後のなんとなく、クリスタル』 ほか)
1 「日の沈む国」から―インターナショナル・ニューヨークタイムズ・コラム集(天皇が着物を着る日;脱成長の時代と日本 ほか)
2 あれからの日本(謝罪と原発;ガラスに入った海―ツイッターと万葉集 ほか)
3 「戦後」の終わり(『戦後入門』をめぐって―戦後七〇年目の戦後論;中村康二氏についてのアトランダムなメモ)
4 「災後」のはじまり(ゴジラとアトム―その一対性;カンタン・メイヤスーの『有限性の後で』―『人類が永遠に続くのではないとしたら』のほうから)
著者等紹介
加藤典洋[カトウノリヒロ]
1948年山形県生まれ。東京大学文学部仏文科卒。現在、文芸評論家、早稲田大学名誉教授。『言語表現法講義』(岩波書店、1996年)で第10回新潮学芸賞。『敗戦後論』(ちくま学芸文庫)で第9回伊藤整文学賞。『小説の未来』『テクストから遠く離れて』(朝日新聞社/講談社、2004年)の両著で第7回桑原武夫学芸賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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