内容説明
「表現の自由」とは何か―われわれはなぜそれを大切にすべきなのか。暴力をかきたてる言論やポルノグラフィの場合に、どこで限界の線引きがなされるべきか。表現の自由をめぐる思想史からアクチュアルな難問まで、具体例を多用しつつ平易な文章で説いた画期的な本。
目次
第1章 表現の自由
第2章 思想の自由市場?
第3章 感情を害する、害されること
第4章 ポルノグラフィの検閲
第5章 インターネット時代の表現の自由
結論 言論の自由の未来
著者等紹介
ウォーバートン,ナイジェル[ウォーバートン,ナイジェル] [Warburton,Nigel]
1962年生まれ。英国ブリストル大学卒業、ケンブリッジ大学ダーウィン校で哲学博士。フリーランスの哲学者。哲学史や哲学入門、哲学者へのインタビューなどの著作に定評がある
森村進[モリムラススム]
1955年生まれ。東京大学法学部卒業。一橋大学大学院法学研究科教授。法哲学
森村たまき[モリムラタマキ]
1964年生まれ。中央大学大学院法学研究科博士後期課程修了。法学修士。現在、国士舘大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobi
43
「若い読者のための哲学史」(同著者)のように読み易くはないが論旨明快。歴史的事件や裁判事例等もあって具体的なイメージが湧く。政治的言論に関わる概念と思っていた「表現の自由」の領域は意外に広く、特にSNSの時代に生きる我々にとっては感情面のみならず生活に関わる大きな課題となりうる。侮辱の観点から騒乱を招きがちな宗教に関わる表現、ポルノグラフィーと芸術作品との境界の曖昧さ、“表現“の相貌を変えてしまったインターネット…様相は複雑でシンプルな結論は導けないが “声”が抑圧されない世界を希求する著者の思いは熱い。2024/01/31
わたなべよしお
14
とても短いが、内容は非常に示唆的で、あらためて考えさせることが多かった。入門書と軽くみることはできない。特にミルの自由論から、宗教の冒涜、侮辱、ヘイトスピーチくらいまでは実に刺激を受けた。「インターネット時代の言論の自由」は楽しみにしていたが、表面的な議論にとどまった感がある。2016/02/16
Haruka Fukuhara
9
面白かった。よくまとまっていてわかりやすい。ただ、訳も基本的には平易だがたまに?。2017/09/06
うえ
6
「05年にデンマークの新聞『ユランズ・ポステン』が自己検閲に関する論争への貢献としてムハンマドの風刺画十二枚を掲載した…多くの人々、とりわけイスラム教徒たちが、これらの風刺画を侮辱的で冒涜的で意図的に挑発的であり、人種差別的であることは言うまでもないと考えた…世界中で抗議は暴力へと至り、デンマーク大使館への放火、おそらく百名に及ぶ多数の死者をもたらした…デモでは「リベラリズムは地獄に落ちろ」「イスラムをバカにする奴を殺せ」と…連呼した抗議者たちは、殺人を煽動し人種的憎悪をかき立てた罪で逮捕、起訴された」2018/06/14
くり坊
3
「インターネットはコミュニケーションを民主化する。少なくとも、それに接続する余裕のある人たちにとっては。世界中のかつて無いほど多くの人々が、互いに話し、そして聞いてもらうことができるようになった。」(121頁)という現実のなかで「表現の自由」とは何かを考えることは、決して無駄ではないだろう。第5章「インターネット時代の言論の自由」を興味深く読みました。他人の文章や画像の流用、言論の自由VS著作権、などなど...。ナイジェル・ウォーバートンの著作をはじめて読みました。次の著作に進みます。2022/02/12
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