出版社内容情報
人は,神のはたらきの内に生かされている.この第一義的な事実は,どのように表現されるのか.新約聖書から,神と人とが接触する〈場〉の作用を描く章句を拾い,そこに新しい言語と関係のモデルを探って,競争と支配に拠らない,本来の共同世界の原理を提示する.旧来の神学を破壊した経験的思考が,この現実を根底から批判しうる体系的宗教思想に到達した.
内容説明
人は、神のはたらきの内に生かされている。新約聖書から、この第一義的な事実を表現する章句を集め、神と人とが接触する“場”の作用を捉えるための、言語の条件を探る。言語学、文学理論、社会学など、異分野との交流を敢行し、仏教とキリスト教との真率な対話を繰り返し企てつつ、神のはたらきの場、人と人とが共に生きる場所の構造と運動を記述する。競争と支配に拠らない、差別と排除を生まない、本来の共同世界の原理―旧来の神学を破壊した経験的思考が、“この現実”を根底から批判しうる体系的宗教思想に到達した。
目次
1 “はたらく神”は何に基づいて語られるか(キリスト教と新約聖書)
2 “はたらく神”の現実性はいかにして確かめられるか(直接経験とその諸相;外から見る世界と内から見る世界―観察と感覚を例として)
3 “はたらく神”に基づいて、人間と世界はいかに理解されるか(自己と自我;統合ということ)
むすび はたらく「神」と神学
著者等紹介
八木誠一[ヤギセイイチ]
1932年生まれ。専攻、新約聖書神学、宗教哲学。東京大学とゲッチンゲン大学に学ぶ。文学博士(九州大学)、名誉神学博士(ベルン大学)。現在、東京工業大学名誉教授。日本基督教学会理事長、東西宗教交流学会会長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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