出版社内容情報
われらの同時代人パスカル.機知に富んだ断章群と,犀利な論理に貫かれた論争書簡を,それらが本来企図されたキリスト教護教論の構想の下に読み直す.知られざるパスカルの全貌に迫る,四半世紀にわたる論考の集大成.
内容説明
『パンセ』を、それが本来構想されたキリスト教護教論の枠組みのもとに読み直す。論争と説得のためのテクストという、新しい光に照らし出された、知られざる宗教思想の全貌。四半世紀にわたる研究の集大成。
目次
1 名句再読(高低か長短か―「クレオパトラの鼻」をめぐって;パスカルの「時と永遠」―波多野精一の『時と永遠』に寄せて ほか)
2 護教論の戦略(比喩と象徴―「フィギュール」の観念について;権威と認識―「権威」の観念について ほか)
3 護教論の限界(「聞くことによる信仰」から「人を生かす信仰」へ―護教論と信仰;「賭」をめぐって―護教論から霊性へ ほか)
4 信仰と政治(引用句の運命―未完の『プロヴァンシアル』書簡の一句をめぐって;パスカルにおける「戦争と平和」―信仰は寛容と両立し得るか ほか)
補遺 日本におけるパスカル―回顧と展望
著者等紹介
塩川徹也[シオカワテツヤ]
1945年生まれ。専攻、フランス文学・思想。東京大学教養学部教養学科卒業。パリ・ソルボンヌ大学第三期課程博士号取得。現在、東京大学文学部教授
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