出版社内容情報
〈カーニバル論〉〈ポリフォニー論〉で著名なミハイル・バフチンは,近代文化研究(CS)や教育学など様々の場面で影響を及ぼしている.今回,伝記的新事実を増補,終章で言説の現況を概観する.全体像を提示した先駆的業績の新版.
内容説明
“カーニバル論”“ポリフォニー論”などで著名なロシアの思想家ミハイル・バフチンは、近年カルチュラル・スタディーズや教育学など、さまざまな場面で大きな影響を及ぼしている。本書は、“対話”と“民衆の笑い”をキーワードとして、バフチンの全体像をコンパクトに描き出す。今回、ソ連邦崩壊後に判明した伝記的新事実を増補、またバフチンをめぐる議論の現況を批判的に概観する終章を付加する。現在その重要性がますます高まる思想家のアクチュアリティをとらえた先駆的業績の増補新版。
目次
1 初期バフチン
2 生成の場の記号学(論争の時代;社会学的詩学とは何か;社会的関係のなかで生成する人間 ほか)
3 “サークル”の消滅と後期バフチン(ヴォロシノフとメドヴェジェフ;一九三〇年代以降のバフチン)
4 解放の笑い(小説の言葉;民衆の笑い;グロテスク・リアリズム ほか)
5 未完のバフチン
著者等紹介
桑野隆[クワノタカシ]
1947年生。東京外国語大学大学院スラヴ系言語修了。東京工業大学、東京大学を経て現在、早稲田大学教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。