出版社内容情報
日米安全保障条約改定交渉、沖縄返還交渉、日米ガイドライン策定といった戦後の主要な対米交渉に関与してきた外交官である中島敏次郎。外務省条約局を中心とする要職を歴任してきた重要人物であり、天安門事件時の中国大使でもある。これまでほとんど紹介されてこなかった彼の証言をまとめた、貴重な歴史的資料。
内容説明
日米安全保障条約改定交渉、沖縄返還交渉、日米ガイドライン策定といった戦後の主要な対米交渉に関与してきた外交官である中島敏次郎。沖縄返還交渉時には尖閣諸島の取り扱いについて米国と協議し、中曽根政権期には外務審議官として「ロン・ヤス関係」を支えた。外務省条約局を中心とする要職を歴任してきた重要人物であり、その内実を最もよく知る人物であった。また、天安門事件に駐中国大使として遭遇もしている。これまでほとんど紹介されてこなかった彼の証言からは、日本外交が生みだされていくプロセスが浮かび上がってくる。
目次
解題 「外交証言録」に見る戦後日本外交(井上正也)
第1章 旧安保条約から新安保条約へ―条約課事務官時代を中心に
第2章 沖縄返還交渉―条約課長時代
第3章 佐藤・ニクソン共同声明―条約課長・駐英公使時代
第4章 日米安保の変容と国際政治―条約局長・アメリカ局長・駐シンガポール大使時代
第5章 中曽根政権と日本外交―外務審議官・駐オーストラリア大使時代
第6章 天安門事件―駐中国大使時代
終章 尖閣諸島と戦後外交
著者等紹介
中島敏次郎[ナカジマトシジロウ]
1925年9月東京都生まれ。1948年9月東京大学法学部卒業。10月外務省入省。1950年9月イエール大学大学院国際関係学科に留学。1972年1月在連合王国日本大使館参事官、ロンドン総領事。1975年10月在連合王国日本大使館特命全権公使。1976年1月条約局長。1977年9月アメリカ局長。1979年12月北米局長。1980年1月在シンガポール日本大使館特命全権大使。1982年10月外務審議官。1984年12月在オーストラリア日本大使館特命全権大使
井上正也[イノウエマサヤ]
香川大学法学部准教授。神戸大学大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(政治学)。著書に『日中国交正常化の政治史』(名古屋大学出版会、2010年、平成22年度吉田茂賞、第33年サントリー学芸賞受賞)
中島琢磨[ナカシマタクマ]
龍谷大学法学部准教授。九州大学大学院法学府博士後期課程単位取得退学。博士(法学)
服部龍二[ハットリリュウジ]
中央大学総合政策学部教授。神戸大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。主な編著書に『日中国交正常化―田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦』(中公新書、2011年、第11回大佛次郎論壇賞、第23回アジア・太平洋賞特別賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。