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内容説明
その思索の徹底性・独創性から、日本の哲学の歴史のなかで極めて多くの思想家に影響を与え続け、また批判の対象ともなった西田幾多郎の哲学。大きな課題を突きつけられた時こそ、彼の思想は大きく発展したと言ってもよい。その発展のなかで西田は結局何を問おうとしたのか。各章で西田の根本の問いと考えられるものを取り上げ、テクストの厳密な読みから出発し、さらに、より広い視野、大きな連関のなかで西田の思索の意義を明らかにする。
目次
第1章 根本の問い―純粋経験とは
第2章 生と表現、そして美の問題
第3章 場所―根柢からの思惟
第4章 言葉と思索―日本語で思索することの意味
第5章 自己と他者―その非対称性をめぐって
第6章 弁証法―西田とヘーゲル
第7章 後期西田哲学の問い―行為的直観とは
第8章 歴史と国家の問題
第9章 「東洋」へのまなざし―哲学と世界認識
第10章 宗教とは何か―西田哲学を貫く思惟
著者等紹介
藤田正勝[フジタマサカツ]
1949年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。現在、京都大学大学院文学研究科教授。哲学、日本哲学史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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肉尊
6
難解な西田哲学を深く考察できる一冊。『善の研究』における純粋経験に始まり、フィヒテ論から絶対意志へ「働くものからみるものへ」の後半で場所の論理に至る過程を古今東西様々な思想家やテーマ(言語・歴史・宗教など)から考察する。ヘーゲルには事柄が生起する場所へのまなざしが、ベルクソンには生きた主体が欠けており、レヴィナスのように他者の身代わりと化しその全責任を委ねてくるようなあり方ではない独自の哲学を生み出している。全体的一と個物的多との絶対矛盾的自己同一性は個人だけでなく、国家そのものの積極的なあり方を表す。2019/11/10
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- 群書類従 神祇部9