出版社内容情報
1972年9月の日中共同声明を踏まえた航空・海運・貿易・漁業協定は日中間の協議をいかに締結されるに到ったか。政治経済体制の違い、対ソ戦略の溝に直面しつつなされた交渉の過程を、交渉の当事者が客観的史料に基づき委細に再現する。
内容説明
1972年9月29日の日中共同声明で謳われた、航空・海運・貿易・漁業の4実務協定の交渉はいかになされたか?日中双方の交渉当事者は、台湾問題・対ソ戦略・双方の国内政治問題・両国間の政治体制の違いや経済格差、といった困難な条件に直面しながらも、時々刻々と変化する情勢を読み解きながら、落としどころを探りあいつつ、長丁場の実務交渉を重ね、協定締結に漕ぎ着けた。当時、外務省中国課首席事務官として交渉に当たった著者は、文書開示請求により交渉資料を入手し、当事者へのインタビューなども加えて、客観的史料に基づき交渉過程を初めて再現する。
目次
序章 日中実務協定交渉の歴史的意味と分析の視点
第1章 日中航空協定の「離陸」までの経緯
第2章 日中海運協定交渉の「航海日誌」
第3章 日中貿易協定交渉の推移
第4章 日中漁業協定交渉の経緯と問題点
終章 日中交渉の「性格」
付録 四協定関連表
著者等紹介
小倉和夫[オグラカズオ]
1938年生。東京大学法学部卒業、1964年英国ケンブリッジ大学経済学部卒業、1999年韓国キョンウォン大学校名誉文学博士。外務省にて、在外では在ベトナム大使(1994‐95年)、在韓国大使(1997‐99年)、在フランス大使(1999‐2002年)を務め、東京では文化交流部長(1989‐92年)、経済局長(1992‐94年)、外務審議官兼G7/G8サミット首相特別個人代表(シェルパ)(1995‐97年)を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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