出版社内容情報
気象学の研究や予報の現場で60年にわたり活躍してきた著者の、四季や雲、雨、雪、風……といった身近な自然から文化や歴史を考察する、気象エッセイの到達点。戦争と気象予報の関わりや、人生の困難の中で見る空の記述は、何気なく見ている「天気」が生きることに深く関わっていることを、感動とともに読者に伝えてやまない。
<著者からのメッセージ>
私は満85歳。気象庁の予報官、気象台長、テレビの気象キャスター、フリーの気象エッセイストの仕事をしている間に、日本の空の美しさに強く惹かれ、業余の時間に季節エッセイを書き続けてきました。
それは主として日本人の季節感を気象、気候資料で裏づけたもので、私はこれを勝手に「人文気象学的季節ノート」「人文気候学的季節論」と名づけていました。そして、すでに20冊以上の単行本や文庫となって、多くの方々に読んでいただいております。
本書には昨年までの12年間に書いた「大気の安定、不安定」など気象専門の項目を含む「乙女の帯」「星のささやき」「雪のない雪害」「朝開暮落花」「焼き味噲」「秋忘れ」「花笑み」「地球照」「頼みの節供」など多彩な約100項目の季節エッセイ、「気象から見た日本文化論の一例題」についての論考、気象学徒としての「青春回顧録」などが掲載されています。
「日本の空」に「一生の恋」をしてしまった一介の気象技術者の晩年になってからの思いを、共感や批判とともに呼んでいただければと、心から願っています。
【著者紹介】
大正13年(1924年)長野市生まれ。昭和24年中央気象台付属気象技術官養成所研究科(現気象大学校)卒業後、気象庁に勤務。退職後、NHK解説委員となり、「ニュースセンター9時」のキャスターとして活躍する。現在は、気象エッセイストとして、新聞・雑誌に気象コラムを執筆する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takao
まりお
のんき
こばこ