出版社内容情報
最初期の森鴎外の初心の姿を新聞投書欄に手繰り,視野を全生涯に及ぼして浮き彫りにし,鴎外研究の画期をなす.ほか,透徹した読みとしなやかな考察により,本文,原稿用紙など文学研究の最も根底的なテーマを踏み込んで論じる.
内容説明
『読売新聞』投書欄に「千住 無丁老農」などの筆名で登場し、論陣を張るこの仮名の投稿者を手繰り、東京大学医学部卒業後の鬱屈した若き森林太郎に同定し、その初心の姿を森鴎外の全生涯に重ねて浮き彫りにする。鴎外研究の画期をなす表題作。ほかに近代日本文学における創作の「制度」となった原稿用紙、印刷された作品の本文の様態、書物となって読者に届くまでの作品の流通など、近代文学研究における最も根底的なテーマを踏み込んで論じる。
目次
投書家時代の森鴎外―『読売新聞』投書欄の再検討
森鴎外の在独通信
森鴎外の帰国第一声をめぐって―『読売新聞』投書欄の再検討
『読売新聞』投書欄の近代―明治十六年を中心に
制度としての原稿用紙―その予備的考察
「時と紙筆とを費やす者」―太田豊太郎の手記をめぐって
『一葉全集』という書物
全集の本文
鴎外・明治四十一年三月十七日―上田敏宛書簡から
「心」を読んだ小学生―松尾寛一宛漱石書簡をめぐって〔ほか〕
著者等紹介
宗像和重[ムナカタカズシゲ]
1953年生まれ。早稲田大学大学院博士課程後期満期退学。早稲田大学教授。日本近代文学、とりわけ森鴎外を専攻
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