出版社内容情報
原発事故から三〇年以上経つチェルノブイリ被災国の現状は。ロシア研究者が実態を報告。3.11後の日本に問う。
内容説明
「チェルノブイリと福島は全く違う」「(被災者を補償する)チェルノブイリ法は形骸化している」…。チェルノブイリ原発事故をめぐり、日本で広まる言説は妥当なのか。被災国現地の人々と交流してきたロシア研究者が、被災国政府の認識や補償の現状、記憶の風化に抗する人々の取り組みなどを紹介。事故後、三〇年以上におよぶ人と社会の蓄積を、3・11後の日本に問いかける。
目次
第1章 チェルノブイリ法の意義とフクシマ―法の不在という問題
第2章 消される「被災地」、抗う被災者
第3章 事故収束作業員たちは、いま
第4章 原発事故を知らない子どもたち―教育現場で何を継承するか
第5章 「放射線」を語れない日本の教室―カーチャが見た学校風景
第6章 原発事故から三〇年、健康被害をどう見るか
第7章 記憶の永久化へ向けて―「チェルノブイリ」を終わったことにさせない
第8章 原発事故を語る「ことば」はどこに
終章 「カタストロフィの終了」に抗して
補論 「チェルノブイリ」の知見は生かされているか―『ロシア政府報告書』(二〇一一年版)から読み解く甲状腺がんの実態
著者等紹介
尾松亮[オマツリョウ]
1978年生まれ。東京大学大学院人文社会研究科修士課程修了。2004~07年、文部科学省長期留学生派遣制度により、モスクワ大学文学部大学院に留学。その後、日本企業のロシア進出に関わるコンサルティング、ロシア・CIS地域の調査に携わる。11~12年「子ども・被災者生活支援法」(2012年6月成立)の策定に向けたワーキングチームに有識者として参加、立法提言に取り組む。関西学院大学災害復興制度研究所研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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後藤良平
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