出版社内容情報
加藤周一が遺した膨大な業績から、私たちは何を学び、何を継承すべきか。菅野昭正、大江健三郎、姜尚中、高階秀爾、池澤夏樹、海老坂武、山崎剛太郎、清水徹らさまざまな分野で活躍する第一級の読み手たちが、その巨大な遺産について多様な角度から語った講演・対談の記録。”知の巨匠”の思想と信念に分け入る手引きとしての一書。
内容説明
日本のあるべき姿をめぐって独自の思索を展開する一方、文学、芸術など幅広い分野にわたって人間と文化の問題を探求してきた“知の巨匠”加藤周一。その業績から、私たちは何を学び、何を継承すべきか、さまざまな分野で活躍する第一級の読み手たちが、その巨大な遺産について多様な角度から語った講演・対談の記録。
目次
思いだすままに(菅野昭正)
いま『日本文学史序説』を再読する(大江健三郎)
戦争の世紀を超えて―加藤周一が目ざしたもの(姜尚中)
日本美術に見る時間と空間―加藤周一の文化論をめぐって(高階秀爾)
雑種文化と国際性(池澤夏樹)
加藤周一とフランス(海老坂武)
加藤周一の肖像―青春から晩年まで(山崎剛太郎;清水徹)
著者等紹介
菅野昭正[カンノアキマサ]
1930年神奈川県生まれ。世田谷文学館館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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寛生
11
加藤周一の知的作業を考えていく上で重要な本だろう。大江のエッセイももちろんいいが、姜尚中が大学に所属しているものとして、おそらく自らを批判的に表現したものだろうが、そこに、彼の言葉で「知の官僚制」とあり、加藤が「大学人」でなかったこと、知識人であったこと、そして、それは丸山との知識人としての姿勢の違いについて言及しているところは称賛にあたいする。そのほかのエッセイでも多様な加藤の生き方が論じられている。医学部出身の加藤がフランス文学に精神の避難所のようなものを希求したこと、これは、いえばいつも彼を超える何2013/01/08
夢仙人
2
加藤周一を知る人たちの周一論。昨今の知識人と比べられない大きな教養のバックボーンがある。今の知識人の小粒化はこうしたバックボーンのなさと今の日本人のレベルの低下が原因か?小粒な政治家しかいないのと同じことか。2011/08/01
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