地球環境史からの問い―ヒトと自然の共生とは何か

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  • サイズ A5判/ページ数 352p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784000238564
  • NDC分類 519.2
  • Cコード C0020

内容説明

いま環境問題が人類への急務の課題となっている。その一方で一面的なエコポリティクス(自然保護政策)のため、古くから自然と共生してきた人々が排除され、各地で論争や紛争まで引き起こしている。地球環境史はヒトと自然=地球の生態との歴史的な関わりを学際的に明らかにし、「ヒトと自然の共生とは何か」を問いなおす。

目次

第1章 地球環境史は何を明らかにしようとしているか(気候変動と現代文明―年縞と文明史;世界の狩猟活動をめぐる人類史;ヒトの生業は生と死にどう関わってきたか―森林焼畑民のライフコースと人口史;一九世紀のコレラ・パンデミックと南アジア世界―環境史としての疫病史;絵図からみた日本の植生史)
第2章 文明はいかに生まれたか(砂漠が育んだ文明―アフロ・ユーラシアの乾燥地;海の文明―オーストロネシアン;タカラガイと文明―東ユーラシア)
第3章 ヒトは自然をいかに育ててきたか―森林や草原に刻まれた歴史(環境史からみた日本の森林―森林言説を検証する;東南アジア大陸部における山地民の移住史と環境利用;ヒマラヤにおける放牧地利用の生態史―草地・森林への牧畜の影響;ギニア南部森林地域における村落林の生態史―ドーナツ状森林の機能と成因)
第4章 自然はヒトをどう変えてきたか―動物や植物からみた歴史(熱帯雨林と文化―沈香はどこから来てどこヘ行くのか;ゴースト・ネイチャー―北米における毛皮フロンティアの展開とエコクライシス;ナマコをめぐるエコ・ポリティクス―ナマコ戦争とワシントン条約;アラビア半島のビャクシン林の利用と保全)
第5章 ヒトと自然との共生とは何か―保全思想の歴史と未来(森林と農地の境界をめぐる自然資源とコモンズ―現代の環境政策と地域住民;イギリス帝国における保全思想;環境思想の形成史;地球環境問題と環境史の将来)

著者等紹介

池谷和信[イケヤカズノブ]
1958年静岡県生まれ。国立民族学博物館民族社会研究部・総合研究大学院大学文化科学研究科教授。博士(理学)。環境人類学・文化地理学専攻。東北大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学。北海道大学助手などをへて、2007年から現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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いとう・しんご singoito2

4
これも「世界史とは何か (岩波講座 世界歴史 第1巻)」切っ掛けで借りてきました。「2025年をターゲットとして、全力を挙げて地球環境問題に取り組まなければならない」という安田論文に始まって、「締め切り時間は・・・2025年ごろ」と述べる石論文まで、世界各地の森林や動物、海洋資源などを巡る学際的な論文が目白押し。2009年と、ちょっと振るい本だけど、現状、とてもヴィヴィッドな問題でもあり、また、とにかく広範囲に様々なトピックスを取り上げてくれているので勉強になりました。それにして今年は一段と暑い・・・2022/07/29

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