内容説明
ユダヤ人たちのクレズマー音楽、ロマのブラス・バンド、ルーマニアのラウタール(楽師)のヴァイオリン、ブルガリアのポピュラー音楽―民族混住の地の、エキゾティックだが懐かしい響き。その旋律は、民族や言語、国境を越え、20世紀の前衛芸術家たちを刺激し、新大陸の大衆音楽市場にも伝播した。この世界音楽史の様々な断片に目を凝らし、ヨーロッパ音楽の地下水脈の背景を、大きな地図のなかに読み拓く。
目次
第1章 ニシンとヴァイオリンと緑のユダヤ人―シャガールのヴァイオリン
第2章 異教的習俗のモンタージュ―ストラヴィンスキーとスコモローヒ
第3章 民俗音楽の喜劇的浄化―コダーイとクンデラ
第4章 民族間の「通貨」としての音楽―モルドヴァのブラス・バンド
第5章 「チャルガ」に夢中―ブルガリアン・ポップ・フォークの地政学
第6章 『ジプシーの恋』の夢と諦め―レハールのオペレッタ
第7章 妖しく高貴なヴァイオリン―エネスクとラウタール
第8章 リゲティが見入る地図―長いイントロダクションとインタビュー
終章 豚飼いの角笛の残響―バルトークの旅を辿る
著者等紹介
伊東信宏[イトウノブヒロ]
1960年京都市生まれ。大阪大学文学部、同大学院修了後、ハンガリー科学アカデミー音楽学研究所、リスト音楽院などに留学。大阪教育大学助教授を経て、大阪大学大学院文学研究科准教授。著書に『バルトーク』(中公新書、1997年、第7回吉田秀和賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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兎乃
unknown
Wataru Hoshii
unknown
鳥取さん