魂の変容―心的基礎概念の歴史的構成

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魂の変容―心的基礎概念の歴史的構成

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  • サイズ A5判/ページ数 320p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784000237932
  • NDC分類 104
  • Cコード C3010

出版社内容情報

「対象」「感情」「想像力」「志向性」など,心のはたらきにかかわる基本用語の成立とその意味変容の歴史を古代ギリシアから歴史的にたどり,その言葉に織り込まれた意味を解きほぐす.内的で能動的存在という通念から解放された心の描像を提示し,心をめぐる探究に分野を超えて豊かな示唆を与える注目の書.

内容説明

「対象」「感情」「想像力」「志向性」など、心のはたらきにかかわる基本用語の形成・受容・変容の過程を古代ギリシアから歴史的にたどり、それらの言葉に織り込まれた意味を解きほぐす。本書にまとめられた概念史的考究をつうじて著者は、内的で能動的な存在という従来の「心」の描像から、環境世界との関係を本質的な契機として自らのうちに組み込む「魂」の描像へと、心の描き方の転換をはかろうとする。アリストテレスを導きの糸として、心をめぐる探究に分野を超えて豊かな示唆を与える論文集。

目次

序 異なる思考の方向感覚を取り戻すために
1 名づける、喩える、書き換える
2 オブジェクトとの遭遇―「主客転倒」以前の対象概念
3 “感情”の理論、理論としての“感情”
4 ファンタシアーの変貌―現われ・表象・想像
5 志向性―現在状況と歴史的背景

著者等紹介

中畑正志[ナカハタマサシ]
1957年生。1986年京都大学大学院文学研究科博士後期課程学修指導認定退学。文学博士(2005、京都大学)。九州大学助教授を経て、京都大学大学院文学研究科教授(西洋哲学史・古代)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

七草奈々子

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素晴らしい本。「魂」あるいはより現代的に言えば「心」や「精神」に関わる五つの概念の生成史を、現代哲学の視野のもと、特に古代哲学との関わりの中で、膨大な研究をかき分けつつ描きとる。第二章の「対象」obiectum 概念についての歴史はとりわけ必読。哲学史家のみならず、現代の認識論の問題に踏み入るものも参照すべき一冊。2022/11/26

T.Y.

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「心」「対象」「感情」「想像力」「志向性」という5つのトピックについて、概念の歴史的変遷を辿ると同時に、アリストテレスに見られる現代とは異なる考え方と、その現代的可能性を提示する。想像以上に面白くて一気に読んでしまった。引き合いに出されている現代哲学の議論の多くは分析哲学のものだが、現象学のキー概念である「志向性」を扱っていることからも分かる通り、扱われている問題の射程は広い。古代哲学はもちろん、現代哲学の研究者も必見の一冊。2013/05/27

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