出版社内容情報
「対象」「感情」「想像力」「志向性」など,心のはたらきにかかわる基本用語の成立とその意味変容の歴史を古代ギリシアから歴史的にたどり,その言葉に織り込まれた意味を解きほぐす.内的で能動的存在という通念から解放された心の描像を提示し,心をめぐる探究に分野を超えて豊かな示唆を与える注目の書.
内容説明
「対象」「感情」「想像力」「志向性」など、心のはたらきにかかわる基本用語の形成・受容・変容の過程を古代ギリシアから歴史的にたどり、それらの言葉に織り込まれた意味を解きほぐす。本書にまとめられた概念史的考究をつうじて著者は、内的で能動的な存在という従来の「心」の描像から、環境世界との関係を本質的な契機として自らのうちに組み込む「魂」の描像へと、心の描き方の転換をはかろうとする。アリストテレスを導きの糸として、心をめぐる探究に分野を超えて豊かな示唆を与える論文集。
目次
序 異なる思考の方向感覚を取り戻すために
1 名づける、喩える、書き換える
2 オブジェクトとの遭遇―「主客転倒」以前の対象概念
3 “感情”の理論、理論としての“感情”
4 ファンタシアーの変貌―現われ・表象・想像
5 志向性―現在状況と歴史的背景
著者等紹介
中畑正志[ナカハタマサシ]
1957年生。1986年京都大学大学院文学研究科博士後期課程学修指導認定退学。文学博士(2005、京都大学)。九州大学助教授を経て、京都大学大学院文学研究科教授(西洋哲学史・古代)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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七草奈々子
T.Y.