内容説明
一九世紀末から一九三〇年代にかけて、ダライラマ一三世の側近として活躍したブリヤート系モンゴル人アグワン・ドルジーエフ(一八五四~一九三八)の波乱の生涯を描く評伝。遊牧民の子として生れ、チベット仏教ゲルク派の最高学位を授与されたドルジーエフは、ロシア、英国、中国と渡りあって、仏教とチベットの独立を守るために奔走した。彼は、スターリン治下のソ連で悲劇的な最後を遂げたが、その構想は国家や民族の枠を超えて甦りつつある現在の内陸アジアの仏教世界の中に生きつづけている。
目次
1 ラサへ
2 ダライラマ一三世の外交官になる
3 英国武装使節団、ラサを侵攻する
4 イフ・フレーから北京へ
5 ダライラマ一三世との別れ
6 ロマノフ王朝の崩壊
7 ソヴィエト体制下での活動
8 死
著者等紹介
棚瀬慈郎[タナセジロウ]
1959年生まれ。1990年京都大学大学院文学研究科博士課程研究指導認定退学。現在、滋賀県立大学教授。専攻は文化人類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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