内容説明
お手本通りの、ただ美しいだけの「風景写真」を撮ることに飽き足りなくなったとき、自分なりの個性を打ち出した作品を撮るためには、なにが必要になるのだろうか。本書は、独自の視点で日本の自然を撮り続けてきた著者が、自身の体験をもとにまとめた自然写真撮影のための手引き書であり、フォトエッセイである。自然とは、自然を撮影することの意味とはなにか、どのようにテーマを選び、対象に向き合っていくのか。自然と写真を愛するすべての人へのメッセージが、この一冊に込められている。
目次
自然写真を撮るということ(自然写真―心の技を磨く;写真に開眼した日;自然はどこに在るのか;自然写真の立場 ほか)
自然写真をどう撮るか(山神;一本の木;桜樹のまがひ;光フェチシズム ほか)
著者等紹介
宮嶋康彦[ミヤジマヤスヒコ]
1951年、長崎県佐世保市生まれ。1975年、フリーランスのカメラマンとして活動を始める。1981年、東京から標高1500メートルの奥日光に移住。1985年、『紀の漁師黒潮に鰹を追う』(草思社)でプレイボーイ・ドキュメントファイル大賞受賞。1986年、まる5年暮らした奥日光を引き払い再び東京の生活に戻る。以降、一貫して写真の富と言葉の富を融合させて新しい富を築こうと活動を続けている。テーマは人、都市を含めた自然。特に人と自然が出合う接点がフィールド(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ほじゅどー
9
★★★★★お手本通りの風景写真を撮ることに飽き足りなくなったとき、自分なりの個性を打ち出した作品を撮るためには、なにが必要になるのか?自然とは、自然を撮影することの意味は?自然は死生の循環が広がる世界。歳を重ねると死が自然に還ることを意識する。花鳥風月という自然観は死生観。人も自然のうち。枯葉のようにやがてこの世から消滅する命。写真のテーマを持て。著者の場合、木、湖、日本海、渡来仏、朱鷺、カバ、ダイコン、夜、桜、花、海、青空、風、盆、正月、死生。2015/02/03
メルセ・ひすい
2
07-02 赤110 1951年生 名人! …写真の幸福は思索の果てにある。「花を見て木を見ないという浅墓」「光がクライマックスを語るときまで待つ」など撮影の心構えを語る印象的な言葉が随所にちりばめられている・…お手本通りの「風景写真」から脱皮して、個性的な作品を撮るためには、どうすればよいのだろう。独自の視点から日本の自然を撮り続ける著者が、その体験に基づいて著した自然写真撮影の手引き書。 2006/06/03
こん
1
歴史部分が短く端的で良かった。 いろいろ匂わせる部分があったが、匂わせるよりもそれは主題に別で絞って書いた方がより誠実な語りになったと思う。もう書いたことがあるというていではなかったので。2013/09/29
Y.U
0
気心知れたフォトグラファーと写真を見ながら、こちらのレベルに合わせ判り安く説明して頂いた様な気がします。2015/03/09
惰性人
0
「脱」と言いつつ「脱」ではない...写真家が風景写真に対する自分の姿勢や思い入れをつづった本です。2011/08/05
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